生成AIの社内利用ガイドラインはどう作る?使える資料・AI・相談先の決め方

AI・業務改善
生成AIの社内利用ガイドラインはどう作る?使える資料・AI・相談先の決め方
社員が迷う資料の扱いを、使う仕事・AIの条件・相談先と一緒に会社のルール案へ書きます。
社員から「この資料をAIに入れてよいですか」と聞かれたとき、何を見て答えるでしょうか。「機密情報は入れない」と伝えても、商品カタログ、まだ公開していない仕様、お客様ごとの単価が混ざっていれば、社員はどこまで使えるか迷います。経営者がそのたびに調べ直す状態を変えるには、資料の名前だけでなく、使う仕事とAIの条件、分からないときの相談先を会社のルールに残す必要があります。
この記事では、社内ガイドラインを「社員が仕事でAIを使うときの条件と、迷ったときの行動を決めるルール」として考えます。公開カタログから商品案内の下書きを作る架空の仕事で、使う資料・用途・特定のAIとアカウントを1組にし、使える情報、入力前に相談する情報、この仕事では使わない情報を分けます。サービスの契約と設定を誰が確かめるか、下書きを案内に使う前に何を確認するか、誤入力したときに誰へ連絡するかまで追います。


01 / 規程の範囲
どの社員が、何の資料を、どのAIで使う?
禁止情報を並べる前に、社員が迷っている具体的な仕事を選びます。誰が、何を、何のために、どのAIで使うかを経営者と担当者でそろえると、確認が必要な条件を探せます。
資料・仕事・使うAIを1組で決めると、社員が判断する具体例を作れます。

公開カタログを、商品案内の下書きに、AI-01の会社アカウントで使う。この3つをセットで規程へ書きます。AI-01は記入例の架空名です。
別用途や個人アカウントへ、許可を自動的に広げません。この規程案は会社未採用。契約と資料の条件を確認して責任者が採用します。申請制や禁止項目を、すべての会社の公式義務として示すものではありません。
担当者に頼むこと経営者は、営業と設定の担当に、社員が迷う資料1つと使う仕事・AIを挙げてもらいます。
02 / 入力の境界
使える・入力前に相談・使わない情報を、具体例で示す
仕事とAIが決まったら、その仕事の資料をどこまで渡すかを分けます。社員が自分の資料と比べられる例を書き、条件が不明な資料は入力前に相談する経路を示します。
会社が認めた組合せは使い、不明なら入力前に相談し、この仕事の禁止情報は入力しません。

この架空の規程案では、公開カタログを条件確認と会社採用後に使います。未公開仕様、顧客ごとの単価、非公開の取引条件は、資料管理者へ入力前に相談します。
ログイン用の秘密、給与表、全顧客名簿、顧客メール全文は、この商品案内へ入力しません。顧客名を消しても、単価や取引内容が使えるとは限りません。添付や引用メールの不要な情報も除きます。
判断できなければ入力を待ちます。文の型だけを考えるなら、資料の内容を架空に置き換える方法もあります。
担当者に頼むこと資料管理者に、使える部分と用途・サービス、確認日を規程へ残してもらいます。
03 / サービスの確認
会社で使うAIの、どの契約・設定を確かめる?
資料の区分だけでは、サービスへ渡してよいかは決まりません。設定担当が実際の契約とアカウントを調べ、学習への利用、保存・削除、共有、外部接続の確認結果を規程案へ残します。
会社契約を中心に、学習・保存と削除・共有・外部接続の条件を別々に確認します。

有料か無料か、製品名が同じかだけで判断しません。実際に使う契約、会社アカウント、用途と設定を確認します。学習に使わない条件でも、保存や共有の条件は別です。
確認メモへ、各条件の結果と、公式説明のURLや契約の該当箇所、確認日と担当を残します。保存期間や削除後の扱いが未確認なら、利用を保留します。
同じ未公開仕様でも、会社アカウントから個人用へ、外部接続なしから追加接続ありへ、別用途へ変える場合は再判断です。個人情報や契約上の制約は、それを扱う社内担当や専門家に確認します。
担当者に頼むこと設定担当に、実サービスの契約と設定を照合し、7欄の規程案のサービス欄へ記録してもらいます。
04 / 実務の使い方
ルール採用後、社員は入力前と案内利用前に何を確かめる?
ここからは、会社が条件を確認して規程を採用した場合の利用手順です。社員が入力前に許可条件を確認する動きと、できた下書きを元資料で確かめてから使う動きを分けて書きます。
入力前に許可条件を確かめ、下書きを案内へ使う前に元資料と照合します。

会社が規程を採用した後の利用例です。営業担当は、許可した公開カタログの必要部分だけを、会社契約の営業担当アカウントで指定AI-01へ渡し、商品案内の下書きを作ります。顧客メール全文、署名、個別単価、非公開添付は混ぜません。
営業担当は、下書きの商品仕様、数量の単位、表現をカタログと照合します。ない仕様や約束していない納期が加わっていたら、直して再確認します。入力の許可と、出力を社外で使う判断は別です。
個別の取引条件が必要なら、その部分の入力前に資料管理者へ相談します。AIが追加資料を求めても、会社の許可とみなしません。
担当者に頼むこと営業担当に、入力前と案内利用前の2つの確認点を、同じ商品案内1件で試してもらいます。
05 / 相談と見直し
「入力してよいか分からない」と「誤入力した」の連絡先を決める
ルールにない資料や条件変更に気付いた場合と、すでに誤入力した場合では、次の行動が違います。入力を待って相談する相手と、利用・共有を止めて連絡する相手を、経営者が決めます。
迷いや条件変更は入力前の相談へ、誤入力は利用と共有を止めて事故連絡へ進みます。

営業担当は、規程にない資料や、契約・設定・アカウント・用途の変更があれば、入力を待ちます。元の許可で入力せず、仕事・資料・項目を規程担当へ伝えます。不在時に相談する代わりの担当も決めます。
相談結果は、認めた組合せと条件、確認日、担当を記録して規程へ反映します。資料本文を広いチャットへ重ねて貼らず、管理者が閲覧できる場所を案内します。
誤入力した営業担当は利用・共有を止め、サービス名、時刻、情報の種類、共有先を事故対応担当へ必要な範囲で伝えます。履歴を消しても送信を取り消せたとは限りません。事故対応担当が契約と設定に沿って対応します。
社内版には、入力前の相談先、誤入力の連絡先、それぞれの担当が不在のときの連絡先を書きます。役割名だけでなく、社員が実際に連絡できる担当と社内の連絡方法を決めてください。相談で確認した組合せ・条件・確認日・担当をルールへ反映します。秘密の本文を報告へ重ねて貼り付ける必要はありません。
担当者に頼むこと経営者は、入力前の相談窓口、誤入力の連絡先、それぞれの代わりの担当を決めます。
06 / まとめ
まとめ:条件確認と会社の採用に回す、7欄のAI利用ルール案
自社で使う資料とAIの条件を、7欄の案へ置き換えます。確認済みの結果と未確認点を分け、誰が条件を確かめ、誰が採用を判断するかを示してから社員に配る順序を確かめます。
仮の区分、条件確認、会社の採用、社員の利用をつなぎ、変更時は入力前の相談へ戻します。

商品案内の例では、公開カタログを指定AIの会社アカウントで使う組合せを選び、未公開仕様や個別単価は入力前の相談へ、顧客メール全文などはこの仕事では使わない情報へ分けました。入力が認められても、商品仕様や数量の単位、表現を元資料と照合してから案内へ使います。資料の入力と、出力を社外で使う判断は別です。
自社では、まず社員が迷う資料1つと、使う仕事・AIを担当者と選んでください。7欄の規程案へ実際の契約とアカウント、学習への利用、保存・削除、共有、外部接続の条件を、根拠・確認日・担当と一緒に残します。記事末尾の記入例は保存期間と削除後の扱いが未確認なので、そのまま社員の利用許可にはできません。未確認点を確かめ、責任者が採用した版を社員へ配るまでが会社の仕事です。
社員がルール外の資料や条件変更に気付いたら、入力を待って規程担当へ相談できるよう、連絡先と代わりの担当を決めます。誤入力は別の連絡先へ、利用・共有を止めて必要な情報を伝えます。今日の一歩は、営業と設定の担当へ資料1つを挙げてもらい、組合せと確認先を規程案へ書くことです。採用後も条件が変われば、元の許可を使わず利用前の確認へ戻します。
担当者に頼むこと今日、営業と設定の担当に資料1つを挙げてもらい、7欄の規程案へ組合せと確認先を書きます。
商品案内の社内規程案(架空例・会社未採用)
架空例・会社が未採用の規程案です。サービス名、会社アカウント、用途、利用条件と確認担当を自社の内容へ直します。未確認を埋め、責任者が採用した版を社員へ配るまで、入力の許可として使いません。
記入例は架空です。氏名・顧客名・機密本文は不要です。編集内容はこのページ内で扱い、サーバーへ送信しません。
これは架空例・会社が未採用の規程案です。未確認の利用条件を確かめ、実際の契約・設定・資料へ直した版を責任者が採用してから社員へ配ります。条件変更後は元の許可を流用せず、入力前に相談します。このメモが利用許可を出すことはありません。
根拠と、参考資料
- IPA:AI利用者のためのセキュリティ豆知識 (確認 2026-10-08)入力情報の扱いと、サービス規約・設定の確認。公式PDFの11ページを参照。一般状況を扱う啓発資料。商品案内の3分類や会社固有の利用許可、法令適合を決める資料ではない。
- NIST:生成AIのリスク管理プロファイル (確認 2026-10-08)本文18ページのGV-3.2-003は、生成AIの許容される利用の方針と、応じない要求の基準を定める提案を示す。リスク管理の参考となる提案で、日本の一般企業へこの記事の申請制や3分類を義務付けるものではない。
「商品案内の社内規程案(架空例・会社未採用)」をもとに、入力してよい資料、利用するAIの契約・設定、相談先で決まらない点を教えてください。自社で進める範囲を整理して相談できます。
自社のAI利用ルールを相談する ↗仕事の流れから、顧客との接点まで。
一体で見直す、最初の一歩を。


