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中小製造業のDXはどこから?設備の停止理由を判断に使う記録例

中小製造業のDXはどこから?設備の停止理由を判断に使う記録例の実務ガイド。設備停止の確認メモ

DX・業務改善 · 実務ガイド

中小製造業のDXはどこから?設備の停止理由を判断に使う記録例

「設備が何度も止まる。でも何を直せばよいか、社員ごとに説明が違う」。中小製造業の経営者へ、設備・時刻・状況・確認担当を残し、改善先を選ぶ方法を解説します。

架空の加工機M01の停止45分を、材料待ち・調整・未確認に分けます。原因を確認する担当と次の判断まで整理し、現場と保全へ渡せる停止記録を作れます。確認前の理由は不明と残します。

DREEXY編集部 · 2026.10.09確認

中小製造業のDXはどこから?設備の停止理由を判断に使う記録例の実務ガイド。設備停止の確認メモ
記事のテーマを伝えるアイキャッチ。各章の説明図は本文に掲載しています。

この記事でできるようになること

  • 停止1件を、設備・時刻・状況・確認担当の記録へ変えられる
  • 理由別の停止時間を集計し、未確認の原因を分けられる
  • 紙・共有表・設備データのどこから始めるか決められる

01 / DX・業務改善

工場のどの停止を減らしたい?まず設備1台に絞る

経営者と現場責任者が、製品の遅れにつながる設備と記録の目的を決めます。

現場が状況を残し、班長が理由を確かめる。作業者:停止時刻と状況/班長:理由を確認/経営者:改善先を選ぶ
現場が状況を残し、班長が理由を確かめる この図を保存 ↓

架空の加工工場では、加工機M01の停止を班長へ口頭で伝えています。月末には「材料待ちが多い」「調整に時間がかかる」と意見が分かれます。経営者が知りたいのは、社員の速さではなく、どの待ちや不具合を調べれば納期の遅れを減らせるかです。

初回はM01の稼働予定時間内の停止を対象にし、予定した休憩と段取りは別区分で残します。稼働していない夜間まで停止へ数えると、改善すべき時間が見えなくなります。設備・対象期間・時間の数え方を現場責任者が先にそろえます。

NEDOのガイドラインは、経営や業務の課題から自社に合う変革を考える位置付けです。本稿はその入口を、設備停止という小さい問題へ絞った教材です。停止記録だけで製造業のDX全体や安全な設備制御を完成させるものではありません。

ここからできること

班長へ記録する設備と時間帯を確認し、停止記録の「対象設備・時間帯」欄へ記入してください。

この章の根拠:出典1

02 / DX・業務改善

停止した瞬間に、何を書けば後で分かる?

時刻と観察した事実を先に書き、原因の推測は別欄へ残します。

9:10から9:30までの停止は20分。9:10:停止開始/9:30:作業再開/結果:20分の停止
9:10から9:30までの停止は20分 この図を保存 ↓

架空の停止D01は10月5日9:10に始まり、9:30に終了したので20分です。作業者は「材料が来ていなかった」と記録します。まだ購買や倉庫の確認をしていないため、原因を「発注ミス」とは書きません。見た状況と、調べて確定する理由は違います。

開始・終了が分からないときは、覚えている時刻に「推定」を付けます。後から設備ログで確認できた場合は、元の記録を消さず、確認した時刻と担当を追加します。停止中は終了を空欄にし、集計時点までの時間を確定済み停止と混ぜない運用にします。

記録番号は1つの停止に1つ付けます。同じ停止を2人が報告しても、番号を照合して重複をまとめられます。設備名だけでは、午前と午後の別の停止を区別できません。現場が短く入力できる欄と、班長が後で補う欄を分けると、記録する負担を見直せます。

M01の停止記録・架空例
記録番号・時間観察した状況確認する人
D01/9:10〜9:30/20分材料未到着班長→倉庫担当
D02/13:00〜13:15/15分治具を調整班長
D03/15:00〜15:10/10分停止理由が不明保全担当
ここからできること

作業者へ停止1件の状況を確認し、「停止・再開時刻」と「観察した状況」欄へ別々に記入してください。

03 / DX・業務改善

時間が長い理由から調べる?未確認も別に残す

同じ設備・期間・分類で足し、理由が未確認の時間を隠さないようにします。

材料待ち20分、調整15分、未確認10分。材料待ち:20分/治具調整:15分/理由未確認:10分
材料待ち20分、調整15分、未確認10分 この図を保存 ↓

上の3件は20+15+10で45分です。材料待ち20分、治具調整15分、理由未確認10分に分けます。班長は、材料待ちを倉庫担当に確かめ、理由未確認を保全担当へ渡します。時間が長い項目を調べる順番に使っても、原因が確認済みとは限りません。

同時刻に設備が止まり、社員が別の仕事をしている場合、設備停止20分と社員の待ち時間20分を同じ損失として足しません。設備を使えなかった時間と、人が動けなかった時間は別の指標です。自社で何を改善するのかに合わせて、集計する対象を決めます。

短い記録期間の結果を年間の損失へそのまま伸ばすことも避けます。製品の種類、段取り、設備の稼働予定が違えば停止の傾向も変わります。経営者は時間の多い理由と、その期間の条件をセットで読み、確認前の数字を投資の確定根拠にしないでください。

ここからできること

班長に理由別の時間と未確認の時間を集計してもらい、「理由別の合計」欄へ記入してください。

この章の根拠:出典2

04 / DX・業務改善

紙・共有表・設備データ、どこから始める?

時刻と理由を残せる方法を選び、入力しやすさと確認できる内容を比べます。

同じ停止例で入力と確認の負担を比べる。紙:現場で記入/共有表:同じ表を参照/設備データ:時刻を取得
同じ停止例で入力と確認の負担を比べる この図を保存 ↓

紙は、作業場所で記入しやすく、記録項目を直す初期の試行に向きます。ただし集計する人と保管場所が必要です。共有表は検索や集計がしやすい一方、設備の近くで入力できるか、同時編集で記録が消えないかを実際の作業者と確認します。

設備から時刻を取得できれば、人の記憶より細かく停止を捉えられる可能性があります。しかし設備の信号だけで「材料待ち」「治具調整」の業務上の理由が確定するとは限りません。設備側の取得条件、保全の確認、現場が理由を補う方法を依頼先へ尋ねます。

道具の比較では、導入費だけでなく、入力・確認・集計に社員が使う時間も測ります。初めから設備への接続を決めず、同じ停止例を各方法で残せるか試してください。IPAの非機能要求の観点も使い、停止中に入力できない場合の後入力や履歴保存を決めます。

ここからできること

作業者に同じ停止1件を紙と共有表で記録してもらい、「記入・確認時間」欄へ比べた結果を記入してください。

この章の根拠:出典3

05 / DX・業務改善

原因が分からない停止は、誰へ何を返す?

確認担当と回答期限を付け、確認中の記録を改善済みにしません。

保全担当の確認が終わるまで未確認として残す。観察記録:D03・10分/確認担当:保全担当/回答前:未確認のまま/回答後:理由と確認日
保全担当の確認が終わるまで未確認として残す この図を保存 ↓

D03の10分は、保全担当がアラーム履歴を確認するまで「理由未確認」です。班長は、設備M01、15:00〜15:10、作業中の状況、記録D03をまとめて渡します。「何か不調だった」だけでは、調べる場所も同じ停止かどうかも特定できません。

倉庫担当の確認でD01が、材料の運び込み順の変更に伴う待ちだったと分かった場合、班長は確認日と確認元を追加します。作業者の最初の記録を責めるために使わず、運び込み順を見直す材料として使います。改善案を試した後は、同じ条件で停止がどう変わったかを見ます。

安全に関わる異常は、時間集計の都合で運転を続けず、自社の設備安全手順と責任者の判断を優先します。本稿の票は停止理由を調べる補助です。設備を再起動してよい条件や故障診断は、設備メーカー・保全担当・現場の手順で確認してください。

ここからできること

理由を調べる担当へ確認期限を尋ね、「未確認の理由」欄へ担当と次の確認日を追加してください。

06 / DX・業務改善

まとめ:停止1件を、改善を選べる記録へ変える

設備・時刻・理由・確認担当をそろえ、確認した事実で改善先を選びます。

同じ条件の停止を比べ、原因確認と改善先を決める。記録:設備・時刻・状況/集計:時間と未確認/確認:班長・倉庫・保全/判断:改善案と再確認日
同じ条件の停止を比べ、原因確認と改善先を決める この図を保存 ↓

中小製造業が設備停止からDXを始めるなら、まず記録の目的を「止まった理由を調べ、改善する場所を選ぶ」と言えるようにします。設備M01の架空例では、3件45分の停止を理由別に分け、未確認10分を保全担当へ渡すところまで整理できました。

経営者が見るのは、合計時間だけではありません。対象設備と期間、予定した休憩等の扱い、未確認の件数、改善後も同じ条件で比べられるかを確かめます。道具はその記録を残すために選び、設備データを取れたことだけを改善の完了とは扱いません。

次に、班長へ最近の停止1件を依頼してください。下のメモへ設備、時刻、状況、確認先を書き、足りない情報は確認担当へ戻します。現場と保全の答えがそろったら、改善案と次の確認日を決める。この小さな判断の積み重ねが、次の導入の相談材料になります。

ここからできること

班長とM01の停止D03を誰がいつ確認するか決め、記録の「未確認・次の判断」欄を埋めてください。

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