顧客獲得は購入の後までどう考える?新規購入と再購入をつなぐ方法

マーケティング · 実務ガイド
顧客獲得は購入の後までどう考える?新規購入と再購入をつなぐ方法
新しい顧客を増やしたいのに、問い合わせが購入につながらない、購入後にまた選ばれる理由も見えない中小企業の経営者へ。顧客獲得は、自社を知った相手が条件を確かめ、実際に購入して顧客になるまでの取り組みです。売上を継続して考える時は、購入後の提供と再購入も一緒に確認します。
靴修理店の架空例で、初回の迷いを減らす説明、注文と受渡し、次に必要な時の再購入、費用の比較を説明します。読み終えると、新規購入と既存顧客の再購入を分けた獲得計画を作れます。顧客が購入を決める条件と、利用後にまた必要になった時の行動を扱います。

この記事でできるようになること
- 初回購入の障害と直す条件
- 購入後から再購入までの提供・接点
- 新規と既存の費用を分けた獲得計画
01 / マーケティング
どこまでを顧客獲得として見る?
問い合わせと購入を分け、再購入は同じ人がもう一度買った事実で見ます。

店の前を通る人、修理について電話した人、靴を預けて注文した人は、段階が違います。問い合わせが10件増えても、注文が増えたとは限りません。まず自社の購入が成立する状態を決め、予約、見積り、契約、支払などを混ぜないで数えます。
日本政策金融公庫の創業後の経営ガイドは、見込客を集めること、購入につなげること、顧客と関係を続けることを含む活動を説明しています。新規の接点だけを見ると、最初の購入の迷いや、購入後の不満を見落とします。本稿ではその流れを具体的な顧客行動へ置き換えます。
再購入は、同じ人が次の必要を満たすためにもう一度選ぶことです。靴修理なら、同じ靴の再修理、別の靴の修理、必要に応じた手入れが候補です。毎月買うことを当然にしません。商品やサービスに合う期間を選び、まだ必要がない人を『失った顧客』と決めつけないでください。
顧客が法人の場合は、社内で購入を判断する人と条件を確かめます。一般の購入者の場合は、本人が価格や仕上がり、受取る時期を判断する場合があります。紹介やWebなど同じ手段を使っても、誰が何を判断するかは違います。自社の顧客に合わせ、購入と利用後の再選択へつながる条件を選びます。
自社で購入と再購入が成立する状態、確認する期間を書いてください。
この章の根拠:出典1
02 / マーケティング
初めて買う人は何を迷う?
内容、総額、納期、品質の根拠、注文方法のどこが分からないかを確かめます。

靴底の修理を初めて頼む人は、『この靴を直せるか』『いくらか』『いつ受取れるか』を知りたいかもしれません。架空例の質問であり、調査済みの顧客の発言ではありません。店が実際に提供する範囲と合う説明を用意し、問い合わせでは何が分からなかったかを確認します。
価格は最安の数字だけでなく、何を含むかで比べます。状態によって追加作業が必要なら、靴を確認して見積る段階を示します。写真だけで確定できない部分がある場合も説明します。修理できると約束する前に、材料や傷み、必要な仕上がりを確かめる条件を用意してください。
仕上がりを示す場合は、実際に確認できる写真や説明を使います。他人の写真、取材していない顧客の成功談、全員が満足したという表現で不足を埋めません。修理前後を見せる時も、対象、直した範囲、残る傷など、何が変わったかを正確に伝えます。
J-Net21の市場調査の説明は、需要と価格、顧客と商品の関係を調べることを扱います。自社では、問い合わせたが買わなかった人の理由、実際に買った人が決めた条件を分けて確かめます。『安い方が売れるはず』という仮説と、価格が原因だった事実を同じものとして扱わないでください。
対応できない条件も案内に含めます。素材によって直せない、希望日までに仕上がらない、元通りには戻らない場合などです。買う前に条件が分かることは、購入後の食い違いを減らすための候補です。本稿の例だけで全素材に対応できるとは示しません。
迷いを聞く時は、『値段が高かったですよね』のように理由を先に示す質問を避けます。何を比べたか、決められなかった条件は何か、別の方法を選んだかを聞く候補にします。回答が取れた範囲だけをまとめると、説明を直す根拠と、まだ分からない理由を区別できます。
実際の質問と購入しなかった理由から、説明の不足を選んでください。
この章の根拠:出典2
03 / マーケティング
集客する方法はどう選ぶ?
相手が必要になる場面と、確認してから買う経路に合わせます。

急に靴底が剥がれた人と、近いうちに大切な靴を手入れしたい人では、必要な時期が違います。前者には場所、受付、対応できる修理、納期が重要な候補です。後者には仕上がりや相談の方法を見てもらう接点が候補です。どの人へ何を伝えるかを決めてから、店頭、検索、地域の案内、紹介などを比べます。
方法ごとに、知るところから購入までを考えます。紹介された人が店の場所や料金を確認できないなら、紹介を頼む数だけを増やしても迷いが残ります。Webを見た人が電話した後に靴を持込むなら、Webのクリックだけで注文を数えず、購入までの実際の経路を確かめます。
選ぶ基準は、相手がいる場所、説明に必要な情報、用意できる費用、店が処理できる注文数です。一度に大量の注文を受けて納期を守れなくなるなら、先に受付可能な範囲を整えます。新しい方法は、どの期間と条件で何人が買ったかを比較できる範囲から試します。
値引きや紹介特典を使う場合は、費用と条件を含めます。特典を使った最初の購入と、通常条件での再購入を別に見ます。特典がないと使われない場合もあり得るため、値引きで増えた購入がそのまま長く続くと見積もらないでください。口コミや引用は、実際の内容と許可を確認して扱います。
試験で同じ人が複数の接点を見た時は、最初の接点だけが購入を生んだと決めつけません。紹介で店を知り、検索で修理例を確認し、店頭で見積った可能性があります。利用者が話した経路と確認できる記録を合わせ、分からない部分を残します。少数の購入だけで、1つの媒体を最も優れていると順位付けしないでください。
1つの顧客の場面を選び、購入までの経路を実際の接点で描いてください。
04 / マーケティング
購入後にまた選ばれる条件は?
約束した提供、使う時の説明、必要な時に思い出せる接点をそろえます。

最初の購入後は、納期どおりに渡せるか、仕上がりの状態を一緒に確認できるか、手入れの方法が分かるかを見ます。次の案内を送る前に、注文の約束と実際の提供を合わせます。前回の問題が残ったまま広告を送っても、顧客にまた選ぶ理由ができるとは限りません。
再購入の理由は、安売りだけではありません。前回の条件を説明しやすい、仕上がりを相談できる、必要な修理を判断しやすいなどが候補です。別の商品を勧める時も、実際の必要と提供できる範囲に合わせます。中小機構のECガイドは関連商品や上位の商品を紹介する方法を扱いますが、すべての顧客へ高い物を勧める根拠にはしません。
連絡を続ける場合は、案内を受取る人の希望と利用目的を確認します。次の手入れを希望する人への案内、店頭で渡す手入れ説明、相談先を残すカードなどを候補にします。連絡先を取得しただけで、どんな広告でも送ってよいと決めません。顧客情報の実値は、本稿の計画や相談用サンプルへ書き込みません。
『一度買った人は必ずまた買うか』には、必要になる時期と前回の体験によると答えます。『既存顧客への方が必ず安いか』には、実際の案内費と購入人数で比べる必要があります。『買わない人へ何度も案内すべきか』には、希望と必要を確かめ、停止したい人へ続けない運営が必要です。
購入後の説明と、顧客が希望する次の接点を確認してください。
05 / マーケティング
新規と再購入の費用はどう比べる?
購入した人を分母にし、提供費と獲得・案内費を同じ範囲で計算します。

架空の税抜例で、新規獲得に3万円をかけ、初回購入者が10人なら、1人当たり3000円です。1回の売上4000円から追加の提供費2000円を引いた差額は2000円なので、初回は獲得費との差が1人当たりマイナス1000円です。問い合わせ人数で割ると、購入に必要な費用を小さく見せてしまいます。
同じ10人のうち、決めた観察期間に6人が再購入し、案内に3000円かかったという仮定を置きます。再購入6件の差額は2000円×6=1万2000円、案内費を引くと9000円です。新規10人の差額2万円から獲得費3万円を引いたマイナス1万円と合わせると、2期間の差はマイナス1000円となります。
この例は固定費、税金、初期費用、値引き、返品を除いた追加部分の比較です。再購入があっても全体が黒字とは限らないことを示す計算で、実際に6人が戻る予測ではありません。顧客が将来何度も買うと仮定して、不足をすべて回収できると判断しないでください。
期間ごとの買い手数と取引件数も分けます。1人が同じ期間に2回買えば、買い手は1人、購入は2件です。高額な商品と少額の修理を混ぜる場合は、人数だけでなく売上と提供費も確認します。入口の数、購入の数、再購入と品質のどこを直すかを費用と合わせて選びます。
提供できる件数にも費用の条件があります。注文が増えて残業や外注が必要になれば、1件の追加費は変わるかもしれません。店の処理時間と納期を確認して、現在の人数で行う案と、外注などを追加する案を比べます。今の2000円という架空の追加費が、増えた注文でも同じと置く前に実際の能力を確かめてください。
新規と再購入の対象期間を決め、実際の購入数と費用へ置き換えてください。
06 / マーケティング
まとめ:獲得計画を何から直す?
止まる顧客行動、購入条件、提供品質、費用をつなぎ、先に直す箇所を選びます。

靴修理店の完成例では、知る経路の数だけでなく、修理内容・価格・納期の迷い、注文と受渡し、次に必要な時の相談を整理しました。新規と再購入の費用を分けると、再購入があっても獲得費を回収できない仮定が分かります。購入までと購入後をつなぐことが、次の判断の材料になります。
自社の空欄へは、実際の質問、購入と再購入、提供費、案内費を入れます。まだ調べていない理由や将来の購入は仮説として残します。問い合わせを増やす、説明を直す、受付能力を整える、提供後の問題を解くなど、止まる箇所に合う変更を選んでください。
相談では、顧客の個人情報を除いた行動の流れ、購入条件の案内、取引数と費用、購入後の問題を示します。どの広告がよいかだけでなく、買う前の不足か、提供の不足か、再び必要になる時の接点かを話し合えます。新規と既存の両方を含め、顧客が選ぶ条件から計画を具体化できます。
完成例を読んで、購入と再購入の流れから直す1箇所を選んでください。
仕事の流れから、顧客との接点まで。
一体で見直す、最初の一歩を。


