広告と検索の問い合わせ記録はどう比べる?回数と訪問の割合を見る

企業向けの集客で、広告と検索の数字を比べたい方へ
問い合わせの完了記録は、同じ行動・期間・数え方で比べます。その記録があった訪問の数を、全訪問の数で割ると、訪問に対する割合が分かります。営業が受け付けた相談の数は、別に確かめます。
広告側の記録が多くても、よい集客だとは限りません。同じ訪問の中で完了が何度も記録されれば、記録の回数は増えても、記録のあった訪問は一つのままだからです。
ここでは問い合わせフォームの完了を記録した架空例で、回数と訪問の割合を比べます。「完了が記録された」ことと「営業が相談を受け付けた」ことは同じではありません。サイト内の行動を記録するGA4と、広告を管理するGoogle Adsを例に、同じ数字を比べる手順を説明します。
AIで作成した説明用の架空画像です。比較作業のイメージです。実際の顧客情報や社内資料を写したものではありません。
問い合わせの記録は、何を1回として数える?
まず「問い合わせフォームの完了」など、何が起きたときの記録を比べるかを決めます。管理画面でCV(コンバージョン)と呼ばれる数字も、意味は目標にした行動の記録です。クリック、フォーム完了、購入を一つの数字へまとめると、何を比べたか分からなくなります。
GA4はサイトで起きた行動をイベントとして記録します。キーイベントは、その中で事業にとって大切な行動として指定したものです。全キーイベントの合計と、問い合わせ完了だけを選んだ件数は同じ対象ではありません。画面の列名と選択したイベント名を一緒に残してください。
GA4のキーイベント件数と、広告の効果を測るGoogle Adsのコンバージョンも区別します。現在は共有したコンバージョンについて両方で整合した計測を使えるため、両サービスは常に比較できないという意味ではありません。ただし、標準レポートのキーイベントを、広告用のコンバージョン列と無条件に同じものとして扱わないことが出発点です。
計測担当は「どのレポートの、どの列を、どの行動について読んだか」を確認します。営業担当には、業務として受け付けた相談の数かどうかを別に確認します。イベント名が問い合わせを示していても、受付済み案件や重複を除いた会社数だとは限りません。
この節の根拠:キーイベントの集計、キーイベントと共有コンバージョン
広告と検索を比べる前に、何をそろえる?
同じサイトの、同じ期間・同じ完了操作を比べます。GA4では、データをまとめる場所をプロパティ、広告検索や自然検索などの入口の分類をチャネルと呼びます。比較する前に、対象サイトと期間をそろえてください。
GA4で入口ごとの数字を見るときは、「トラフィック獲得(Traffic acquisition)」というレポートを開きます。このレポートは、サイトの一続きの利用を一つの訪問としてまとめます。正式にはセッションと呼ぶ単位です。同じ人が繰り返し訪問することもあるため、訪問の数は人数や会社数とは違います。
訪問の入口で分ける欄は「Session default channel group」です。Paid Searchは検索広告、Organic Searchは自然検索を表します。まず同じ欄の二つの行を比べてください。最初にその人を獲得した入口や、個々の行動へ成果を割り当てた集計へ切り替えると、対象が変わります。正式な欄名を残すのは、その取り違えを防ぐためです。
- 対象サイト・プロパティとレポート名、チャネルを分けた欄の実際の名前。
- 選択したキーイベント名と、何が起きたときにその行動を記録するか。
- 開始日・終了日とタイムゾーン。日付の区切りが違うと対象に入る行動も変わります。
- 除外や絞り込みの条件、数え方、数字を取り出した時点。設定を変えた期間は、その変更も残します。
メニューはプロパティやレポート構成によって異なります。ReportsからAcquisition、Traffic acquisitionを探す場合も、表示名だけで判断せず、実際のレポートと欄を確認します。全キーイベントから特定イベントの件数を選べる欄はありますが、その操作だけで率の列も同じ対象へ切り替わると決めないでください。率の定義と対象イベントを確認し、必要なら同じ条件を指定できる探索で確かめます。
検索結果でのクリックと、自然検索からのセッションも別の集計です。SEOの月次報告としてSearch Consoleの表示・クリックと訪問の関係を整理したい場合は、SEOの表示・クリック・訪問・相談を分ける測定方法で、その測定地点の違いを確認できます。この記事では、同じセッション単位のチャネル間比較へ戻ります。
この節の根拠:GA4のセッションと率、流入元の集計単位、キーイベントの集計
完了記録が多いのに、訪問の割合が低いのはなぜ?
完了の記録の回数と、完了が記録された訪問の数は別だからです。一つの訪問の中で同じ完了操作が何度も記録されても、その操作があった訪問は一つです。記録の回数が多いことだけから、より多くの人が相談したとは言えません。
GA4の数え方には「Once per event」と「Once per session」があります。前者は操作が記録されるたびに数え、後者は同じ訪問内の同じ行動を一回として数えます。数え方が違えば件数の意味も変わるので、両方の設定を確認します。変更しても過去の件数は同じ方法に書き換わりません。
次は同じ架空サイトの2026年9月の記録です。日本時間の同じ期間、同じ除外条件、同じ集計時点で比較しています。対象はフォーム完了を記録するgenerate_leadという行動で、両方とも記録されるたびに数えるOnce per eventです。営業受付を確認した記録ではありません。
完了の記録があった訪問の数 ÷ その入口の全訪問の数
検索広告は、完了の記録があった4回の訪問を全200回で割ると2%です。自然検索は5回を全100回で割ると5%です。12回と8回は操作が記録された回数なので、この割合の分子には使いません。5%の方が高いという観測と、その集客へ予算を移すべきだという判断は別です。

この図の元になった記録と、数字の意味を読む
完了の記録は検索広告12回・自然検索8回ですが、その記録があった訪問の割合は2%・5%です。回数と割合では見ている対象が違います。営業が受け付けた相談は両方とも未確認で、率の高さだけで成果や予算の優先順位は決められません。
図と同じ架空の二つの記録を、項目ごとに見比べます。「検索広告」は「広告の検索からの訪問」、「自然検索」は「自然検索からの訪問」を表します。同じ条件と未確認事項は後で一度に示します。
回数・訪問数・割合を、順に見比べる
記録件数
- 検索広告
- 12
- 自然検索
- 8
選んだ完了操作が記録された回数です。営業受付・人数・会社数ではありません。
行動があったセッション数
- 検索広告
- 4
- 自然検索
- 5
選んだ完了操作が少なくとも一度記録された訪問の数です。
セッション数
- 検索広告
- 200
- 自然検索
- 100
サイトの一続きの利用を一つとする数です。同じ人の複数訪問も含まれ得ます。
セッションの率(%)
- 検索広告
- 2
- 自然検索
- 5
完了記録があった訪問を全訪問で割った割合です。
チャネル
- 検索広告
- Paid Search
- 自然検索
- Organic Search
Paid Searchは検索広告、Organic Searchは自然検索です。
記録
- 検索広告
- 広告の検索からの訪問
- 自然検索
- 自然検索からの訪問
共通する条件と、まだ分からないこと
- レポート・単位
- GA4 トラフィック獲得・セッション
- 期間・日付の基準
- 2026-09-01〜09-30 / Asia/Tokyo / 行動を記録した日
- 選択した行動
- generate_lead
- 数え方
- Once per event
- 営業受付
- 未確認(0件という意味ではありません)
- 適合商談
- 未確認(0件という意味ではありません)
数字をどの画面で何の単位としてまとめたか。ここでは一続きのサイト利用を一つの訪問とします。
同じ月を日本時間で区切り、行動が起きた日を使っています。別の広告記録は広告操作日なので混ぜません。
この架空例ではフォーム完了を記録する行動です。実際の受付済み相談を表すとは限りません。
Once per eventは記録されるたびに、Oneは同じ広告操作からの同じ対象行動を一回として数える方法です。
営業が受け付けた相談を別に確かめます。この例では未確認です。
自社の対応条件に合う相談か、営業が確かめた結果です。この例では未確認です。
二つの入口を同じ条件で集計した記録です。訪問数や記録件数を人・会社・商談の数へ置き換えず、営業側で確認していない結果を0件としないでください。
悪い例は、操作の記録12回をそのまま分子にして「訪問の割合」と報告することです。よい例は、完了記録のあった訪問4回と全訪問200回を比べることです。人・会社・商談の数へ置き換えず、未確認を0件と読み替えません。
この節の根拠:GA4のセッションと率、GA4の数え方
サイトの記録と広告の記録は、同じ数字を比べている?
サイトで大切な行動として数えた記録か、広告の効果測定用に共有した記録かを先に確認します。前者はGA4のキーイベント、後者はGoogle Adsのコンバージョンです。Google Adsの記録はGA4のAdvertising(広告)側でも確認できますが、通常のGA4レポートのキーイベントとは役割が違います。共有管理機能を使えるかどうかも、自社のプロパティで確かめます。
次に、同じイベントから作った同じconversion actionか、どの列かを記録します。conversion actionは広告側で成果として数える行動の設定です。Primary(主要)の行動は、通常「Conversions」列で報告されます。その行動が属する標準目標を広告の入札に使っている場合は、入札の最適化にも使います。入札は広告枠に払う金額を決める仕組みで、報告で数える対象と合わせて条件を確認します。Secondary(補助)は通常、観測用として「All conversions」列に報告され、標準目標の入札には使いません。ただし、行動を組み合わせたカスタム目標では、主要・補助の区分にかかわらず、その中の行動が報告と入札に使われます。自社の対象行動・目標・列を確認し、名称の似た二つの合計だけを照合しないでください。
Google Adsの「Every」は同じ広告操作から起きた行動を複数数える方法、「One」は同じconversion actionについて一回とする方法です。Oneでも別のactionは別に数えられるため、全行動を横断して同じ人や会社を一件に整理した数字ではありません。GA4のOnce per sessionとも、数えるまとまりが違います。
期間の欄が同じでも、標準のGoogle Adsのコンバージョンは広告操作日、Analytics側は行動が起きた日が基準になる場合があります。月末に広告を使い翌月に行動した場合、同じ月へ入るとは限りません。実際に使う列の日付基準、タイムゾーン、広告操作から数える対象期間、帰属の条件を照合します。帰属は成果をどの入口へ割り当てるかという考え方です。
共有したコンバージョンの同じ定義と条件が揃えば、両方で整合した指標を比べられます。揃っていない数字は、違いを記録して照合を続けます。インポート以前の記録、処理の遅れ、モデル化された値なども該当条件を確認し、数字が違うという理由だけで計測故障や特定の原因と決めません。
下のAdsの6件は、前のGA4の12件と対応が確認できていない別の架空記録です。アカウントのタイムゾーンや帰属対象・対象期間、Primary/Secondaryの実値は未確認です。GA4の200セッションを分母にして6÷200の率を作ると、別の対象を混ぜることになります。
広告側の別集計
- 記録
- 広告側の別集計
- レポート・単位
- Google Ads Conversions列・conversion action
- チャネル
- 検索広告
- 期間・日付の基準
- 2026-09-01〜09-30 / 広告操作日、アカウントtimezone未確認
- 選択した行動
- generate_leadから作ったconversion action
- 数え方
- One
- セッション数
- 未確認(0件という意味ではありません)
- 記録件数
- 6
- 行動があったセッション数
- 未確認(0件という意味ではありません)
- セッションの率(%)
- 未確認(0件という意味ではありません)
- 営業受付
- 未確認(0件という意味ではありません)
- 適合商談
- 未確認(0件という意味ではありません)
広告側の成果設定を、Google Adsの報告列で数えた別の記録です。GA4の訪問単位の集計ではありません。
検索広告についての広告側の記録です。同じ名前の入口でも、GA4の訪問の数と同じ対象だとは限りません。
広告操作日を基準にした記録です。アカウントの時間帯は未確認なので、日本時間や行動が起きた日として扱いません。
元の行動から作った、広告で成果として扱う行動の設定です。同じ列・期間・数え方・成果の割り当て条件かは未確認です。
Oneは、同じ広告操作からの同じ対象行動を一回とする数え方です。訪問一回・人一人・会社一社という意味ではありません。
この広告側の記録に対応する訪問の分母は未確認です。GA4の200回や100回を代用しません。
この例ではOneで数えた広告側の成果記録が6件です。営業受付や操作の発生回数、GA4の訪問数と同一視しません。
この広告記録を、GA4の完了操作のあった訪問へ対応させた数は未確認です。
この記録だけでは訪問の割合を計算できません。広告の6件をGA4の全訪問数で割りません。
営業が受け付けた相談を別に確かめます。この例では未確認です。
自社の対応条件に合う相談か、営業が確かめた結果です。この例では未確認です。
この節の根拠:キーイベントと共有コンバージョン、Google AdsとGA4の比較、Google Adsの数え方、主要・補助の行動と報告列
完了の記録と、営業が受け付けた相談は同じ?
営業受付と、対応条件に合う商談は業務記録で別に確かめます。同じ人が重ねてフォームを送った場合、サイト側に複数の記録があっても、営業では一つの相談として扱う場合があります。イベント件数だけでは、その違いは判断できません。
営業責任者と、受付を数える条件を合わせてください。対象期間、重複の整理方法、どの記録を一つの相談とするか、チャネルとの対応を確かめる方法を決めます。実名や連絡先をこの記事の表や解析のパラメータへ持ち込む必要はありません。業務記録との照合は担当の権限と社内の取り扱いに沿って行います。
適合商談とは、自社の対応地域や提供範囲、相談内容などの条件を満たす商談として社内で決めたものです。何を条件としたかを営業が確認する必要があります。フォーム完了が多いことと、その条件に合う相談が多いことは同じではありません。
今回の架空例では両チャネルの営業受付も適合商談も未確認です。空欄を0件と読み替えず、商談の質、利益、予算配分も保留します。未取得の結果を埋めて「率が高いから良い顧客が来る」と説明しないことが、次の調査を正しく選ぶために必要です。
まとめ:数字を比べた後、どこから改善を始める?
比較条件の不足と、営業側の未確認点を先に埋めます。今回分かったのは、同条件の架空集計で件数とセッション単位の率の大小が異なることです。顧客の適合や差の原因、利益への貢献は分かっていません。
計測担当は、対象レポート・列・選択イベント・日付・数え方を確認して、同じ条件で数字を取り直します。入口ページや対象顧客、端末、期間の違いを調べる場合も、一つずつ対象を決めてください。率は分母の大きさにも左右されるため、小さな母数の一期間だけで継続的な優劣を決めないようにします。
営業担当は、同じ対象期間の受付と適合の条件、重複整理、チャネルとの対応が確認できるかを調べます。対応が取れない記録を無理にチャネルへ振り分けません。数字の差を説明できない場合は、その未確認点と確かめる担当を残します。設定の変更だけで過去の記録が揃うと考えないことも大切です。
予算や媒体そのものを選ぶ段階では、対象顧客が見る場面、制作・運用費、購入後の採算など、別の判断が必要です。その検討へ進む方は、広告媒体を目的と費用で比較する方法を確認してください。ここで比較した訪問の率だけから、広告費を増やす結論には進みません。
今日の作業は、問い合わせ完了など一つの行動を選び、広告と自然検索の同じ期間の二行を比べることです。記録の回数、完了記録があった訪問、全訪問を別々に読みます。その後、営業受付と対応条件に合う相談を業務記録で確認できれば、集客の量だけでなく質も検討できます。数字の対応が取れない間は、率だけで予算を増減しないでください。
根拠と適用範囲
Google公式の必要箇所を2026年10月14日に確認しました。画面や設定の適用範囲は自社のプロパティ・権限・レポートで確かめてください。本文の記録は架空例で、実際のアカウントの設定変更、問い合わせ送信、営業結果の検証を行ったものではありません。
- Traffic acquisition
Sessionチャネルはセッションの流入元。キーイベント件数は発生数、Session key event rateはキーイベントがあったセッション数÷全セッション数。件数を分子へ置換しない。 - About key events
Key events列のAll events選択は特定イベントの件数確認に使う。標準GA4のキーイベントとAds conversionsは別。率の対象イベントも列定義で確認する。 - Change the counting method of key events
Once per eventとOnce per sessionを区別。移行元等で既定が異なる。数え方変更は将来に適用し過去を書き換えない。 - Scopes of traffic-source dimensions
user/session/eventの次元を混ぜない。session次元への帰属とevent次元の選択モデルを区別。event creditが小数になる場合もある。 - Create conversions from Google Analytics events in Google Ads
標準Ads列の広告操作日に対しAnalyticsは行動日が基準になり得る。One/Every、Primary/Secondary、列・action・window・import以前/遅延を照合する。 - About conversion counting options
Oneは広告操作ごとの同じconversion actionを1件にする設定で、全actionを横断した1人/1社/1案件を意味しない。変更は将来適用。 - Conversions vs. key events in Google Analytics
GA4標準レポートのキーイベントと、Advertisingに表示する共有Google Ads conversionsは役割が異なる。整合したconversion定義は両方で一貫した指標にできる。 - About primary and secondary conversion actions
主要の行動はConversions列、補助の観測用行動はAll conversions列。標準目標での入札条件と、主要・補助を問わず報告・入札に使うカスタム目標の例外を区別します。設定変更を実施した根拠ではありません。
仕事の流れから、顧客との接点まで。
一体で見直す、最初の一歩を。


