新規事業をいつやめる?費用・需要・品質から決める撤退条件

成長戦略 · 実務ガイド
架空の消耗品会社は定期便を八週間試します。社長は担当者が努力しているから続けるという判断を避け、開始前に費用、需要、品質に基づく終了と変更の条件を決めます。
事業の目的、上限資源、確認期間、需要と提供条件、変更できる余地を明示し、新規事業の撤退条件を事前に設定します。 この架空例では、計算だけでなく準備資料、担当、反例、実行後の照合までを表と記入メモへまとめます。

この記事でできるようになること
- 試行期間を「八週間・四週で中間判定」のように具体化します。
- 残り資源を「14万円・35時間」として、条件と一緒に確認します。
- 責任者が終了時の既存契約と顧客対応を確認し、実行担当と期限を決めます。
01 / 成長戦略
新規事業の撤退条件では何を対象にする?
事業の目的、上限資源、確認期間、需要と提供条件、変更できる余地を明示し、新規事業の撤退条件を事前に設定します。

架空の消耗品会社は定期便を八週間試します。社長は担当者が努力しているから続けるという判断を避け、開始前に費用、需要、品質に基づく終了と変更の条件を決めます。
売上が一度低かっただけで機械的に撤退するルールではありません。続けて確かめる価値と、これ以上使える資源の両方を経営者が判断するための条件です。
撤退条件を後から作ると、結果に合わせて基準を緩めやすくなります。開始前の条件があれば、継続を選ぶ時にも何を変えたか説明できます。 参照資料のOpenStax:Relevant Information for Decision-Makingで説明される考え方では、選択で変わる将来費用を、既に使った費用や変わらない支出と区別します。 以下の数値・表・判断手順は、その概念を応用した独自の架空教材です。
「試行期間」の欄を自社の記録で埋めてください。架空例の値は「八週間・四週で中間判定」、担当・次の扱いは「社長」です。
この章の根拠:出典1
02 / 成長戦略
どの資料を誰が確かめる?
「社長:上限と判定条件」と「現場:品質の最低条件」を分担し、元の記録を確かめます。

試行の支出上限30万円、担当枠80時間、有料利用10社の確認を目標とします。四週目には料金提示済み12社のうち3社が利用し、支出16万円、使用時間45時間です。
社長が資源上限、担当が記録方法、現場が品質の最低条件を決めます。どの条件を超えた時に止め、誰が判断するかを開始前に確認します。
有料利用の社数には、開始日と継続意向を添えます。申し込み、支払い、実際の利用は異なるので、どの状態を需要の証拠にしたかを明示します。
「資源上限」の欄を自社の記録で埋めてください。架空例の値は「30万円・80時間」、担当・次の扱いは「経理と担当」です。
03 / 成長戦略
試算から何が分かり、何が言えない?
架空例では「支出余力=14万円」、「残り予定=48時間」です。本文の条件と計算を合わせて読みます。

支出残額は14万円、時間残枠は35時間です。残り四週間の必要時間が週12時間なら48時間で13時間不足します。期間だけ延ばしても能力条件は解決しません。
未達の需要だけでなく、検証を完了するまでの資源を確認します。終了、範囲を絞って継続、条件を変えて再試行の選択肢を分けます。
利用が少ない理由が料金提示の遅れなら、需要不足と断定できません。予定した証拠が取れなかった問題と、条件を示しても選ばれなかった問題を区別します。
比較表は横に動かして全ての列を確認できます。
| 項目 | 架空の結果 | 計算・条件 |
|---|---|---|
| 支出余力 | 14万円 | 30−16万円 |
| 時間余力 | 35時間 | 80−45時間 |
| 残り予定 | 48時間 | 週12時間×4週 |
「需要の証拠」の欄を自社の記録で埋めてください。架空例の値は「料金提示12社・利用3社」、担当・次の扱いは「営業」です。
04 / 成長戦略
どの選択肢を進め、何を保留する?
選択肢は「資源内で証拠が取れる:範囲を限定して継続」と「品質と約束が守れない:責任者へ終了相談」です。未確認の条件は担当へ戻します。

継続案は追加費用と得られる証拠、終了案は顧客対応と残る契約、変更案は変更する前提を示します。過去の支出が惜しいことだけを継続理由にしません。
一つの仮説が外れても変更で成立する場合があります。変更費用と新しく検証する問いを示し、上限内で得られる学びがあるかを比較します。
品質の重大な懸念や約束を守れない条件が判明した場合は、需要の判定を待たず責任者へ上げます。終了の範囲と必要な対応を確認します。
比較表は横に動かして全ての列を確認できます。
| 記録する項目 | 架空の記入例 | 担当・次の扱い |
|---|---|---|
| 試行期間 | 八週間・四週で中間判定 | 社長 |
| 資源上限 | 30万円・80時間 | 経理と担当 |
| 需要の証拠 | 料金提示12社・利用3社 | 営業 |
| 残り資源 | 14万円・35時間 | 四週時点で照合 |
| 変更の必要 | 残り予定48時間 | 範囲を絞る案を比較 |
| 終了時の仕事 | 既存契約と顧客対応 | 責任者が確認 |
「残り資源」の欄を自社の記録で埋めてください。架空例の値は「14万円・35時間」、担当・次の扱いは「四週時点で照合」です。
05 / 成長戦略
実行後は何を照合する?
「需要:有料利用の状態」と「終了:受付停止と提供完了」を確認し、計画と実績の差を残します。

四週目の判定では残り35時間に収まる範囲を選びます。契約した顧客への約束、返却、案内を整理してから新規受付の停止や範囲変更を実施します。
判断後も終了の作業と支払義務を確認します。新規受付を止めたことと、既存顧客への提供が終わったことを同じ完了にしません。
条件を変更する場合は、変更前の値と理由を残します。目標を達成したように見せるための変更と、前提の改善に必要な変更を区別します。
「変更の必要」の欄を自社の記録で埋めてください。架空例の値は「残り予定48時間」、担当・次の扱いは「範囲を絞る案を比較」です。
06 / 成長戦略
判断を引き継ぐために何を残す?
「変更の必要:残り予定48時間」と「終了時の仕事:既存契約と顧客対応」を記録し、担当と見直し条件を決めます。

終了でも、取得した証拠と未確認を残します。再開を検討する時は、担当や提供条件が変わったかを確認し、以前の期待だけで始め直しません。
撤退条件が完成した状態は、観測する記録、判定日、判断者、終了時の仕事が決まっていることです。終了だけが未設計のまま試行を始めません。
撤退は担当者の失敗評価と同じではありません。仮説の検証結果を共有できる場を作り、都合の悪い情報が報告されなくなることを防ぎます。
「終了時の仕事」の欄を自社の記録で埋めてください。架空例の値は「既存契約と顧客対応」、担当・次の扱いは「責任者が確認」です。
仕事の流れから、顧客との接点まで。
一体で見直す、最初の一歩を。


