オウンドメディアとは?自社で始めるかを判断する方法

マーケティング · 実務ガイド
オウンドメディアとは?自社で始めるかを判断する方法
自社の記事を持つと何ができるのか、広告やSNSとの違いが分からず、導入を迷っている経営者・担当者向けです。オウンドメディアとは、自社が内容を管理するサイトや読み物などの媒体です。
繰り返す説明、公開できる根拠、更新担当から採用を判断します。読後は、始める理由と不足条件を一枚の判断表にまとめられます。

この記事でできるようになること
- 自社媒体と広告・SNSの役割を説明できる
- 始める理由と不足条件を採用表に残せる
- 担当者へ確認する項目を具体的に出せる
01 / マーケティング
オウンドメディアは、自社が内容を管理する媒体です
自社のサイトや記事など、何を載せ、どう直すかを自社で決められる媒体がオウンドメディアです。

「owned」は「自分が保有する」という意味です。日本電子出版協会は、自社で保有する媒体として企業サイト、ブログ、メールマガジンなどを挙げています。ここでは特に、自社サイトに置く読み物を中心に考えます。外部サービス上の発信も大切ですが、サービス提供者の規則や表示方法に依存する部分を見落とさないでください。
架空の修理会社なら、営業案内ページに「何を修理できるか」を載せ、記事に「水漏れを見つけたとき何を確認するか」を載せます。記事を読んだ人は、すぐ注文しなくても、その会社が何を扱うかを理解できます。媒体の保有と、読者への有用性は別の話です。会社が自由に書けても、読者の疑問に答えなければ読む理由は生まれません。
無料で置ける場所があっても、原稿作成、確認、画像の許諾、訂正、サイトの維持には作業が必要です。「広告を止めても記事が残る」は、費用が消えることを意味しません。最初は媒体を増やすより、既存サイトに読み物を追加できるかを確かめるほうが、管理対象を把握しやすくなります。
会社サイトの中に記事を置く場合でも、ドメインやサーバーの契約名義、管理画面へ入れる人、契約終了時に取り出せるデータを確認します。原稿を持っていることと、公開中のサイトを管理できることは同じではありません。技術担当へ聞く際は、パスワードの共有を求めず、誰がどの操作を担当できるかを確認してください。
使っている発信場所と、その内容を直せる担当者を一つの表に書いてください。
この章の根拠:出典1
02 / マーケティング
広告・SNSと、読む場面で使い分けます
広告は知らせる入口、SNSは会話や再接触、自社の記事はまとまった説明を置く場所として役割を決めます。

媒体の違いを、強い・弱いの一言で決めないでください。架空の修理会社が新サービスの受付開始を知らせるなら、既に見ている人へのメールやSNSが使いやすい場合があります。一方、見積もり前に必要な写真、修理できない状態、当日の流れを繰り返し説明するなら、同じURLで読める記事が役に立ちます。
「SNSの投稿があるから記事は不要」とも、「記事を作れば広告は不要」とも言えません。短い投稿から詳しい説明へ進めるようにするなど、読み手の移動を考えます。外部の投稿で価格だけを紹介し、記事に価格の適用条件がないと、見た人は同じ約束だと思って申し込みます。入口と説明の条件をそろえることが先です。
GoogleのSEOスターターガイドは、検索エンジンと利用者が内容を理解しやすくする考え方を説明しています。記事の公開だけで検索に載ることや上位表示を保証する資料ではありません。急いで受付を始めたいときは、記事が見つかるまでの期間を当てにせず、今使える連絡経路も計画します。
| 読者の場面 | 置く内容 | 更新のきっかけ |
|---|---|---|
| 受付が始まったか知りたい | SNSに開始日、案内ページへリンク | 受付開始・停止 |
| 依頼前に準備したい | 記事に写真の撮り方と例外 | 受付条件の変更 |
| 申し込めるか確かめたい | 案内ページに対象地域と窓口 | 地域・担当変更 |
直近の案内一つについて、入口・詳しい説明・申し込み先を線で結んでください。
03 / マーケティング
採用する理由を、繰り返す説明から探します
何度も答える疑問があり、根拠を出せて、更新する担当を置けるなら、小さな媒体を検討できます。

導入の判断では、最初に「記事を毎月何本書くか」を決める必要はありません。問い合わせ、営業の説明、社内の資料から、同じ疑問が繰り返されていないかを探します。個人情報や顧客名は公開原稿へ移さず、質問の型だけを抜き出します。「費用はいくらですか」だけなら、記事より価格案内の整備が先かもしれません。
架空の会社では「現地調査の前に何を用意しますか」という質問が繰り返されているとします。担当者が写真の例を作れ、受付条件を確かめられるなら、準備記事を作る理由があります。逆に、案件ごとの差が大きく、一般化すると誤った判断を招くなら、公開する共通部分と個別に聞く部分を分けます。
Googleが説明する有用なコンテンツの考え方では、想定読者に十分な答えを与えることや、情報の裏付けが重視されています。本稿の採用表はその公式の判定表ではなく、社内で話し合うための提案です。根拠のない成功例を飾るより、確認できる資料と、書けない範囲を残すことを優先してください。
最近説明した疑問を三つ出し、根拠と担当が書けるものに印を付けてください。
この章の根拠:出典2
04 / マーケティング
続けられない条件も、開始前に書きます
確認する人・更新する時間・サイトの管理権限が確保できない場合は、規模を縮めるか開始を待ちます。

公開後に書き手が不在になっても、ページは読まれます。古い受付条件や使えない連絡先が残ると、読む人は今の案内だと受け取ります。開始時には、文章を書く人のほかに、事実を確かめる人、公開する人、間違いを見つけたときに直す人を決めてください。一人が複数役を持つ場合も、役割を省略しないで記録します。
予算は、制作費だけで比較しないほうが判断しやすくなります。原稿のための聞き取り、写真や図の作成、内容確認、サイトの契約、更新、復旧の準備を列に分け、誰が何を担うかを見ます。ここでの列は費用相場ではありません。外部へ頼む場合には、記事一本の料金に何が含まれるかを見積書で確かめます。
すぐに顧客へ知らせる必要がある、公開できる説明が少ない、正確な情報を確認できる人がいないなどの場面では、媒体の立ち上げを先にする必然性はありません。既存の営業資料や案内ページを整える選択もあります。判断は「やる・やらない」だけでなく、「一つの説明ページから始める」「担当を確保してから始める」まで含めます。
例えば外部への依頼書に「記事制作」とだけ書くと、会社が資料を渡すのか、相手が取材するのかが決まりません。完成原稿の納品だけなら、サイトへの入稿は別の人が行います。掲載後に受付条件が変わった場合の訂正も、納品契約に当然含まれるとは限りません。作業の列ごとに担当と完了条件を記し、見積もりが同じ範囲を扱っているかを比べてください。金額が書けない段階では、未見積もりと残してかまいません。
| 作業 | 社内で確認すること | 外部へ頼むときの質問 |
|---|---|---|
| 聞き取り | 説明できる担当と公開可能な資料 | 取材回数と追加確認を含むか |
| 原稿・図 | 誰が事実と表現を確認するか | 図版の作成・許諾・修正はどこまでか |
| 公開 | 編集権限と公開を決める担当 | 入稿・リンク確認・公開後の修正を含むか |
| 維持 | 契約と更新・復旧の担当 | 保守範囲、バックアップ、解約時のデータ返却はどうなるか |
採用表に「不足している準備」と「始めるための条件」を一行ずつ書いてください。
05 / マーケティング
成果は、記事の役割に合わせて確かめます
検索での表示やクリックと、読者が準備・理解できたかを別に記録します。

Search Consoleの表示回数やクリック数は、検索結果での見られ方を確かめる指標です。会社名を覚えたか、依頼の条件を理解したか、売上が増えたかをそのまま示すものではありません。採用時の目的が「現地調査の準備を伝える」なら、受付担当が同じ説明を繰り返したか、必要な準備について質問が残ったかも確認します。
評価のために大きな計測の仕組みを先に作る必要はありません。記事の目的、確認に使う記録、見直す日を一枚に残します。架空例では、公開した説明を受付担当が使ってみて、読者が迷った表現をメモします。これは実在顧客の調査結果ではなく、効果を決め付けない運営方法の例です。
反応が小さいときに、すぐ記事数だけを増やさないでください。記事を案内する場所がない、質問の対象がずれている、本文で条件が分からないなど、公開の仕方にも原因が考えられます。検索不振の診断手順は別の主題です。本稿では、採用した理由を確かめられる記録があるかに絞って見直します。
採用理由一つに対し、確認する記録と見直す担当を一つずつ決めてください。
この章の根拠:出典4
06 / マーケティング
まとめ:採用理由と続ける条件を一枚にします
媒体の定義を理解したら、読者の疑問・公開する根拠・担当・確認方法を書いて採用を判断します。

判断表を完成させると、制作を頼む前に相談すべきことが見えます。例えば疑問と根拠はあるが、更新の担当が決まらないなら、デザインの比較より先に運営体制を決める必要があります。逆に担当と公開場所があり、繰り返す疑問が一つに絞れるなら、小さな説明記事を試す話に進めます。
記入した内容は、社内の希望だけで確定しないでください。担当者がその説明を今も使っているか、資料が公開可能か、サイトを編集できるかを確かめます。曖昧な欄を「未確認」と残すことも、完成した判断表の一部です。全てを埋めるために実績や顧客の発言を作ってはいけません。
次に進むときは、この記事選定・立ち上げ体制・継続制作を区別します。本稿で持ち帰るのは媒体を採用する判断表です。最初の記事の内容を決める場合は、採用理由から読者の疑問を一つ取り出し、実際に答えられる資料を集めるところへ進んでください。
判断表を保存し、未確認の欄を担当者へ確認してから開始条件を決めてください。
仕事の流れから、顧客との接点まで。
一体で見直す、最初の一歩を。


