テスト結果のファイルはどう整理する?版と実行回を結ぶ保存表

部品卸で受注業務とIT窓口を兼ねる方へ。開発会社から「直しました」と画面の画像が届いても、それがどの版を、何回目に試した結果なのか分からなければ、保存まで確かめたかを追い直すことになります。
確認した版・開始状態・作業・実行した回を、期待した結果と実際の記録、保存したファイルに結び付けます。直す前の失敗は残し、修正版を試した結果は別行へ追加してください。実施していない作業と、原本のない報告は分けて残します。
この記事では、架空の部品卸の受注確認を6回分の保存表にまとめます。実際の会社やシステムを試した記録ではありません。存在する4つのTXT、画面の値を残したCSV、保存値を残したCSVを見比べ、ファイルの取り違えを見つける練習です。読後は、結果を追える保存表と、開発窓口へ聞く不足分を用意できます。

どの版を何回目に試したかを、結果と一緒に残す
最初に、開発会社と確認する資料の名前と版をそろえます。「版」は、納品候補や修正版を区別する名前です。同じ作業を繰り返しても、どの版を試したかが変われば結果は別の記録になります。
この教材の合意資料は「受注の確認仕様・改訂1」です。数量は1〜100の整数個、既存の注文は8個とします。「納品候補v1」と「修正版v2」を用意し、数量上限の変更やケースの網羅設計は扱いません。確認する動作を決める段階なら、先に発注者の受入テストの確認表で開発窓口と合意してください。
保存表の1行は、1回の確認です。記録する内容を8つに分けます。
- 確認した回:同じ作業を再び試しても、別の回として区別する。
- 確認した作業と版:新規保存、保存済み注文を12個に変更などの仕事と、実際に試した版。
- 開始状態と役割:既存注文が8個だったか、変更できる担当で試したか。
- 操作と期待する結果:何を入力し、画面や保存値がどうなる約束か。
- 記録された結果:何が表示され、保存後に読み直すと何が残ったか。
- 結果を残したファイル:保存先とファイル名、対応する記録の箇所。
- 状態と残る確認:期待一致、不一致、未実施、原本不足を分ける。
- 担当と次の作業:不足する原本や確認日を誰に聞くか。
ファイル名だけでは中身が合っていると決められません。ファイルの中にも、版・確認した回・作業・開始状態・結果を残します。保存時刻と記録する担当も、どの記録を確認したかをたどる助けになります。この例の日付と役割は架空です。
6回分の表を、存在する4つの記録へ結ぶ

結果を確かめる元のファイルを、ここでは「原本」または「証跡」と呼びます。この教材では4つの架空ログと画面値・保存値のCSVが、それに当たります。
N01とE01は、表と原本で注文を照合するための番号です。N01は新しい注文、E01は保存済みの注文を表します。表と結果ファイルの同じ番号を見比べてください。
保存表には、確認していない作業も行として残します。ただし、まだ存在しない結果やファイルを補いません。次の表は教材に入っている記録と、未実施・不足を分けたものです。
6回の架空記録と、原本のある4回・未実施・原本不足
まず、同じ作業の初回と再確認、次に未実施と原本不足を比べます。最後の2回は別の作業です。この読む順番は、試験の実施順や修正の優先順位を示しません。
同じ数量修正:初回の不一致と、修正版の再確認
実行02の表示12個・保存8個を残し、実行03の修正版で再読した12個を別の回として比べます。
状態・残る確認
- 実行02
- 記録と証跡が対応(期待不一致)
- 実行03
- 記録と証跡が対応(再確認の期待一致)
記録された結果
- 実行02
- 表示は12個、再読した保存値は8個のまま
- 実行03
- 再読した保存値12個、1件を記録
確認した作業・版
- 実行02
- 保存済み注文を12個に変更/納品候補v1
- 実行03
- 保存済み注文を12個に変更/修正版v2
操作・期待する結果
- 実行02
- E01を12個へ修正→1件12個
- 実行03
- 同じ修正入力12個→1件12個
開始状態・役割
- 実行02
- 既存E01は8個・営業変更役割
- 実行03
- 同じE01を8個から開始・営業変更役割
結果を残したファイル
- 実行02
- e02-v1-t02.txt
screen-values.csv#実行02
saved-values.csv#実行02 - 実行03
- e03-v2-t02.txt
screen-values.csv#実行03
saved-values.csv#実行03
担当・次の作業
- 実行02
- 開発窓口へ表示/保存差を返す。元記録を消さない
- 実行03
- 実行02に後続参照を付け、修正前の不一致を保持
確認した回
- 実行02
- 実行02
- 実行03
- 実行03
未実施と原本不足:記録がない理由を分ける
実行04はまだ試していません。実行05は報告だけで、結果を確かめる原本が未入手です。どちらも期待一致とは認定しません。
状態・残る確認
- 実行04
- 未実施
- 実行05
- 証跡不足・期待一致を未認定
記録された結果
- 実行04
- 未実施・実結果なし
- 実行05
- 『問題なし』との報告だけ。結果の保存記録は未確認
確認した作業・版
- 実行04
- 上限を超えた数量を受け付けない/修正版v2
- 実行05
- 出荷担当の変更を受け付けない/修正版v2
操作・期待する結果
- 実行04
- 101個を拒否→既存E01の8個不変
- 実行05
- 変更できずE01の8個不変
開始状態・役割
- 実行04
- 既存E01は8個・営業変更役割
- 実行05
- 既存E01は8個・出荷参照役割
結果を残したファイル
- 実行04
- なし(未実施)
- 実行05
- 参照名e05-v2-t04.txtは記載されたが原本未入手
担当・次の作業
- 実行04
- 試験担当へ許可された実施日を確認
- 実行05
- 確認者と保存原本の所在を開発窓口へ照会
確認した回
- 実行04
- 実行04
- 実行05
- 実行05
別の作業:新規保存と、空欄の入力
実行01は新しい注文の保存、実行06は空欄を受け付けない確認です。別の作業の記録として、それぞれの期待と結果を読みます。
状態・残る確認
- 実行01
- 記録と証跡が対応(この架空試験の期待一致)
- 実行06
- 記録と証跡が対応(期待一致)
記録された結果
- 実行01
- N01が1件10個と架空ログに記録
- 実行06
- 空欄案内と再読した8個を記録
確認した作業・版
- 実行01
- 新しい注文を10個で保存/納品候補v1
- 実行06
- 空欄では保存しない/修正版v2
操作・期待する結果
- 実行01
- N01を10個で新規保存→N01が1件10個
- 実行06
- 空欄を拒否→E01の8個不変
開始状態・役割
- 実行01
- 新規N01なし・営業登録役割
- 実行06
- 既存E01は8個・営業変更役割
結果を残したファイル
- 実行01
- e01-v1-t01.txt
screen-values.csv#実行01
saved-values.csv#実行01 - 実行06
- e06-v2-t05.txt
screen-values.csv#実行06
saved-values.csv#実行06
担当・次の作業
- 実行01
- 業務担当が対象と時刻を保存票へ
- 実行06
- エラー表示と保存記録を同じ実行IDへ
確認した回
- 実行01
- 実行01
- 実行06
- 実行06
全6回は架空の説明例です。期待一致3回・不一致1回・未実施1回・原本不足1回という区分と、原本があるのは実行01・02・03・06の4回だけという対応を保ちます。実システムの試験結果や、全6回の合格は示しません。
実行01・03・06が期待一致、実行02が不一致、実行04が未実施、実行05が原本不足です。期待一致3回はこの教材の3記録についての判断です。6回すべての合格や、実システムの導入可否を表しません。
TXTは、1回の確認に関する文章の記録です。画面値CSVは表示された値、保存値CSVは保存後に読み直した値を並べた表です。両CSVに入るのは、原本のある実行01・02・03・06だけです。実行04・05に仮の値を入れると、実施済みと誤解する原因になります。
画面と保存値を別々に見ると、初回の不一致が分かる

実行02の記録を開き、画面値CSVと保存値CSVの「実行02」を探します。保存済み注文を12個に変更では、画面が12個になっても、読み直した保存値が8個なら、約束した「12個を保存」と一致していません。画像があることや、入力できたことだけで保存成功にしないでください。
次に実行03を見ます。修正版v2を、同じ8個の開始状態と同じ役割から試し、12個を入力した回です。画面12個、保存値12個、1件という架空記録がそろっています。実行02の結果を12個へ書き換えず、実行03を後続の再確認として残します。
この2行が残っていれば、開発窓口は「どの版で何が違い、何を再確認したか」を追えます。再確認の記録があることと、他の作業への影響や全試験の完了は別に判断してください。
旧版・別の回・原本不足の取り違えを見つける
保存表とファイルの対応を、次の3例で確かめます。
| 確かめたい記録 | 間違えやすいファイル | 中身を見て分かること | 次の作業 |
|---|---|---|---|
| 実行03・修正版v2の数量修正 | e02-v1-t02.txt | 同じ数量修正でも、納品候補v1の初回不一致。修正版の結果ではない | e03-v2-t02.txtと両CSVの実行03へ戻る |
| 実行05・出荷担当の変更を受け付けない | e03-v2-t02.txt | 同じ修正版v2でも、数量修正という別の作業・別の回 | 代用品にせず、原本の所在を開発窓口へ聞く |
| 実行04・上限を超えた数量を受け付けない | ファイルなし | 未実施なので、結果を確かめる原本もない | 試験担当へ実施日を確認する |
見る順番は、対象の版、確認した作業と回、開始状態、期待と記録された結果です。同じ版だけでは同じ試験になりません。ファイル名の数字が近くても、原本不足の代わりに別の記録を付けないでください。
このファイルは、確かめたい回の原本?
ファイルの版と作業、確認した回を照合します。次の3例では、候補のファイルをそのまま結果の裏付けには使えません。
実行03/保存済み注文を12個に変更/修正版v2
候補:e02-v1-t02.txt
同じ試験でも納品候補v1/初回失敗の記録。再確認結果へ置換しない。
実行05/出荷担当の変更を受け付けない/修正版v2
候補:e03-v2-t02.txt
同版でも別試験/別実行。未入手原本の代わりにしない。
実行04/上限を超えた数量を受け付けない/修正版v2
候補:なし
未実施。ファイルや結果を補って合格にしない。
保存先と不足分を、次に読む担当へ渡す
保存表の上には、対象の仕事、確認した環境、合意資料の版、保存先の管理、読む担当、次に確認する日を残します。保存先は、実際にその担当が閲覧できる場所を確認してください。この記事は閲覧権限の変更や、顧客情報・認証値の収集を行う手順ではありません。
未実施の実行04は、担当と実施日が残るようにします。実行05は報告だけを成功へ読み替えず、誰が何を見たか、保存原本がどこにあるかを聞きます。入手できたら元の不足記録を消さず、入手日と対応する回を追記してください。確認の条件が変わって再実行した場合は、新しい回の行へ記録します。
記録と版の対応を維持する考え方は、ISTQBのテスト基礎シラバス v4.0.1の§1.4.3・§1.4.4・§5.4で説明されています。§5.5は、期待した結果と実際の結果、対象や状況、関連記録を不一致の報告へ残す考え方を示しています。この8列・6行や4つのTXTは説明用に作った例で、公式の必須書式や規格適合の証明ではありません。
まとめ:まず1回分を開いて、表と原本を結ぶ

最初の作業は、結果ファイルを1つ開き、版・確認した回・開始状態・結果を保存表の1行と照合することです。うまくいかなかった初回を残し、再確認は別行へ追加します。未実施と原本不足には、それぞれ聞く相手と次の作業を残してください。
原本が存在するのは、実行01・02・03・06の4回だけです。元の記録を別の版の結果へ置き換えず、未実施・原本不足に成功記録を補いません。
どの記録を開発会社へ返せばよいか迷う場合は、DREEXYの業務整理・連携支援を確認し、対象版、保存表、不足している原本を用意して相談窓口へ相談できます。支援の範囲や担当は個別に確認します。
仕事の流れから、顧客との接点まで。
一体で見直す、最初の一歩を。


