同じ会社から複数の問い合わせが来たら?商談化を数えるときの整理方法

同じ会社から別々の人が問い合わせ、営業が一つの商談を進めることがあります。このとき、人数と商談件数をそのまま割ると、何を数えた率なのかが分かりにくくなります。

2人からの相談は、商談も2件?
いいえ。同じ会社の2人が別々に問い合わせても、営業が進めている商談が一つなら、確認された商談は1件です。問い合わせた人は2人として残します。

ここでいう「人」は問い合わせた担当者、「会社」はその人が属する組織、「商談」は営業が条件や提案を進める個別の案件です。人と会社を結び、商談との関係を確認してから数えます。2人が関係したからといって、同じ商談を2件に増やしません。
4月の記録を、まずそのまま見る
次は説明用の架空例です。実際の会社やCRMの画面、一般的な商談化率を表したものではありません。
| 人・問い合わせ | 会社 | 商談との関係 |
|---|---|---|
| 担当者A:4月3日、資料請求 | 青葉商事 | 商談1に関連を確認 |
| 担当者B:4月8日、相談 | 青葉商事 | 商談1に関連を確認 |
| 担当者C:4月12日、資料請求 | みどり製作所 | 関連は未確認 |
| 担当者D:4月18日、相談 | 会社は未確認 | 関連は未確認 |
青葉商事のAさんとBさんは、同じ商談1に関連しています。Cさんには会社の記録がありますが商談との関連は未確認。Dさんは会社そのものが未確認です。この二つの未確認は、どちらも「商談がない」ことを意味しません。
同じ会社の複数人が資料を見たものの、同じ商談か分からない段階は、個人と会社の関心を分けて確認する記事で説明しています。こちらの記事では、確認できた商談との関連をもとに、人と会社の集計単位をそろえます。
どの記録をつなげればよい?
まず問い合わせの日時と人を残し、会社と、確認できた商談を対応させます。情報を無理に一つの行へまとめず、別の記録のつながりとして見られる形にします。

CRMでは、連絡先、会社、取引などがそれぞれ別の記録として管理されることがあります。たとえばHubSpotは、それらの記録を関連付ける方法を説明しています。画面名や設定方法は利用する製品と契約で異なるため、自社の環境で確認してください。
同じメールアドレスから複数回届いた記録があるときは、人の重複と問い合わせの回数を分けます。会社名が似ていても同じ会社かは確認し、判断できなければ関連を保留します。元の問い合わせ日時や流入元は消さずに残しましょう。
人と会社は、それぞれ何件?
架空の4月の記録では、問い合わせた人は4人。会社が分かった人は3人で、その所属先は2社です。残る1人の会社は未確認。確認された商談は青葉商事の1件です。

| 数える単位 | この例で分かること |
|---|---|
| 問い合わせた人 | 4人。うち2人は同じ商談に関連を確認 |
| 会社 | 判明2社。1人の所属会社は未確認 |
| 商談 | 確認された商談1件。ほかとの関連は未確認 |
この架空例で、確認できた分だけを途中経過として計算してみます。
4人中2人の関連を確認済み。残る2人は未確認なので、最終的な商談化率ではありません。
判明した2社中1社の商談を確認済み。もう1社の商談と、Dさんの会社は未確認です。会社全体の最終率ではありません。
人を基準にするなら、同じ対象期間の人のうち、定義した期間内に商談へ関連した人を数えます。会社を基準にするなら、同じ期間の対象会社のうち、商談を確認できた会社を数えます。1件の商談を4人で割って「人の商談化率」とするように、分子と分母の単位を混ぜません。
この例はCさんの商談関連とDさんの会社・商談関連が未確認なので、最終的な商談化率はまだ出せません。「確認済みの関連」と「残る確認待ち」を併記します。判明2社だけを対象にした暫定値を使う場合も、会社不明の1人を含めていないことと、みどり製作所が未確認であることを明示します。
いつの問い合わせを、いつまで追う?
率を比べる前に、対象となる問い合わせの期間、何を商談化と呼ぶか、その後いつまで結果を見るかを決めます。4月の問い合わせに対し、どの時点の商談記録を見るかが違うと、同じ4人でも確認できる結果は変わり得ます。

この原票には追跡終了日がありません。未経過なのか、確認待ちなのかを勝手に決めず、確認時点を記録してから再確認します。4月の問い合わせ群の結果を見たいなら、後の月に新しく入った別の問い合わせを分母へ混ぜないことも大切です。
「商談化」は営業での初回打ち合わせ、案件の登録、別の承認など、組織により定義が異なり得ます。社内の営業担当と意味を合わせ、途中で定義を変えた場合は比較時にその違いを記します。
会社や商談が分からないときは?
Cさんは会社が分かり、商談との関連が未確認です。Dさんは所属会社も商談との関連も未確認です。必要な確認が違うので、ひとまとめに「失注」や「商談なし」とせず、別々に残します。

- Cさんの問い合わせを営業記録と照合し、関連先と確認時点を確かめる。
- Dさんの会社を確定できる情報があるか確認し、分からなければ会社不明のままにする。
- 追跡期間と商談化の定義を共有し、更新後も元の問い合わせを追えるようにする。
営業担当への確認が返るまでは、暫定の集計で未確認の件数を示します。CRMに自動で会社が結び付いていても、それだけで本人の所属や案件との関係が正しいと決めず、実際の記録を確かめましょう。
まとめ:最初に何をすればいい?
人・会社・商談は別の単位です。同じ会社の2人が一つの商談に関わったときは、人は2人、確認された商談は1件。人の率と会社の率は、分子と分母をそれぞれ同じ単位にそろえます。
実際に始めるなら、直近の問い合わせ群を一つ選び、人・会社・商談の関連が確認できるかを営業担当と見てください。分からないものは保留にし、対象期間、商談化の定義、結果を確認した時点を添えます。
参考資料
- HubSpot:レコードの関連付け — 連絡先・会社・取引の関連を確認するための製品説明。
- Salesforce:オブジェクト間の関係 — 取引先と連絡先などの関連についての製品教材。
- 複数の担当者と1社の集計に悩む本人の質問 — 読者の問いの参考。実績や普遍的な比率の根拠にはしていません。
本文の4人・2社・1件は説明用の架空記録です。実際の顧客データ、成約、売上、特定CRMの設定結果ではありません。
仕事の流れから、顧客との接点まで。
一体で見直す、最初の一歩を。


