BtoBマーケティングとは? 複数の商品がある会社は何から始める?

画像は架空のイメージです。
法人向けに複数の商品やサービスを扱っていて、買い手も相談内容も異なる。担当者は少なく、紹介以外の接点も増やしたい。そんなとき、すべての商品の記事や広告を同時に始める必要はありません。まず「どの会社の、どんな仕事に、何を届けるか」を比べ、根拠と対応する人を確認できた一組から始めます。確認できなければ、選ぶ前に不足を調べます。
BtoBマーケティングは、会社や組織の買い手を理解し、必要な情報を届け、相談から営業、受注後の振り返りまでをつなぐ活動です。広告や記事はその一部です。最初の一組が決まらないときは、分からない点を埋めること自体を最初の仕事にできます。
BtoBマーケティングと営業は、何が違う?
架空の設備会社を例に、点検についての疑問から情報提供、個別の相談、受注した場合の振り返りまでを図で追います。

BtoBは、会社などの組織を相手に商品やサービスを提供する取引です。BtoCは、個人の消費者を相手にする取引を指します。同じ会社が両方を扱うこともあります。法人なら必ず決裁者が複数いる、個人なら検討が短い、と決めつけることはできません。
マーケティングでは、誰がどんな仕事で困っているかを調べ、相手が比較に使う情報や相談できる接点を整えます。営業は個別の相談について、条件を確認し、提案や見積もりを進めます。小さな会社では同じ人が両方を担っても構いません。大切なのは役職名より、何を確かめ、次に誰が動くかです。
受注後も、実際に何が役立ったか、導入や利用でどんな疑問が残ったかを聞き、次の説明や対象の見直しへ戻します。顧客の話を公開事例に使う場合は、利用できる範囲と相手の許可を確認します。
複数の商品があるとき、最初の一組をどう選ぶ?
下の図では、点検と修理の相手、確認できた質問、未確認の条件を同じ行で比べます。点検も条件と担当を確認できなければ保留します。

以下は説明のための架空例です。実際の取引や成果ではありません。
設備の点検と修理を扱う会社に、定期点検と故障時の修理という二つのサービスがあるとします。相談窓口を兼ねる担当者は一人です。両方の施策を同時に始める前に、次のように確認します。
| 確認すること | 点検 × 設備管理者 | 修理 × 現場責任者 |
|---|---|---|
| 相手の仕事 | 停止を避け、日程を組む | 故障を伝え、対応を確認 |
| 確認できた材料 | 点検範囲・日程の質問 | 故障内容の質問 |
| 必要な確認 | 対象設備・地域を確認 | 緊急対応時間・引継ぎ先を確認 |
| 担当者の余力 | 説明の確認担当を確かめる | 受付後の回答余力は未確認 |
| 今の判断 | 担当と範囲がそろえば試す | 対応条件の確認まで保留 |
表の点検は、営業が受けた範囲・日程の質問を材料に、対象設備と訪問地域を技術担当に確かめる例です。修理は故障内容の質問はあるものの、受付後の対応範囲が未確認です。現場責任者に緊急対応の時間帯と引継ぎ先を確認し、受付を増やしても回答できるかを確かめます。どちらも担当と条件がそろわなければ施策を保留します。
IPAのサービスデザイナーの役割でも、顧客や関係者の調査で課題を捉え、事業・技術の観点を踏まえて価値を考え、利用者に有用か、事業として成り立つかを確かめる考え方が示されています。上の比較はその考え方を架空のマーケティング判断に応用した例で、IPAの定型手順や成果保証ではありません。
「修理より点検が優れている」と決めたわけではありません。修理について対応時間と担当が確認できれば、改めて比較します。逆に点検の技術確認を引き受ける人がいなければ、こちらも保留です。候補を選ぶ条件は、資料があることだけでなく、顧客の質問に正しく答え、相談を受け取れることです。
例えば、その後に両方の対応時間と担当が確認できたとします。それでも一人では同時に説明を整えられないなら、過去の質問と確認できた資料を見比べます。点検では対象設備と訪問地域の資料を技術担当が確認でき、修理では故障ごとに追加確認が必要だと分かれば、まず点検の説明を整える、と選べます。これは判断の例であり、確認にかかる時間や相談の優先度が逆なら修理を先にして構いません。根拠や対応余力に差が見えなければ、どちらかを無理に決めず、営業と現場に何を確認するか決めます。
点検を試す場合、最初に整えるのは、技術担当が確認した対象設備と訪問地域、対象か分からない設備の相談先を記した短い説明です。紹介を受けた相手に共有し、受付では設備・地域・未確認の条件と次の担当を残します。後で受付記録を見て、対象地域外の相談があれば地域の説明が伝わっていたかを確かめ、必要なら表示を見直します。設備の判定に時間がかかっていれば、技術担当と確認項目や受付方法を見直します。相談がまだなければ成果を推定せず、共有先や観測期間を確認して次の見直し時期を決めます。これらは架空の試し方で、実際の相談や成果ではありません。
既存顧客からの紹介が中心なら、まず過去の相談を数件振り返り、「何に困っていたか」「どの資料が判断に役立ったか」「誰が答えたか」を担当者に確認します。記録がない部分はゼロとせず、不明と残します。十分な情報や確認者がいなければ、広告や記事を増やす判断は急がず、確認先と次に見直す時期を決めてください。
選んだ相手に、何を伝えればよい?
架空の設備会社を例に、確認済みの対象と、まだ分からない設備の相談方法を図で分けます。

相手の疑問を一つ選び、対応できる条件と確認が必要な条件を分けます。点検の架空例なら、「どの設備が対象か」「日程の相談に何が必要か」「対象か分からない場合はどう聞けるか」が候補です。技術担当が確認できる資料を根拠にし、未確認の設備まで対応できると書かないようにします。
例えば、技術担当が「A市内の工場にある換気設備の定期点検」を確認済みとした架空例では、紹介先に渡す説明を「A市内の工場にある換気設備の定期点検について、対象設備と訪問日程を相談できます。設備の種類や場所が対象か分からない場合も、まず設備と所在地をお知らせください」と書けます。A市や換気設備は例であり、自社の対応範囲を示すものではありません。確認できていない設備や地域に「対応可能」と書かず、技術担当への確認事項として残します。
検索記事、紹介、展示会、広告は相手との接点を作る方法です。顧客がどこで情報を探しているか、説明の正確さを誰が確認するか、相談後に誰が回答するかを先に確かめて選びます。紹介に役立つ説明を整えることも、マーケティングの一部です。広告費を使うことやツールの導入を、開始の必須条件にはしません。
相談が来た後は、誰が何を確認する?
架空の点検相談を一件の受付メモにまとめ、未確認の設備について技術担当へ引き継ぐ例です。

受付では、相談の内容、対象となる条件、まだ分からないこと、次に確認する人を分けます。例えば点検対象の設備が分からなければ、対象外と決めず、技術担当へ確認する項目として渡します。営業が案件の条件や見積もりを確認した結果は、次に用意する情報の改善に戻します。
例えば先ほどの架空の設備会社なら、受付メモを「相談:換気設備の点検」「確認済み:所在地はA市」「未確認:設備の型式と点検対象かどうか」「次に確認する人:技術担当」と分けられます。窓口は型式が分かる資料を確認し、技術担当が対応可否を判断した後、その結果を相談者へ伝えます。型式がまだ分からなければ未確認のまま引き継ぎ、断定しません。これは記入例で、実際の相談や対応実績ではありません。
受付から営業への具体的な引継ぎや資料の選び方は、BtoBリード獲得の方法で詳しく説明しています。
何を見て、次の判断を変える?
架空の図では、検索の記録と、受付・適合相談・商談の記録を分け、相談の内容に応じた次の見直しを示します。

検索でページが表示・クリックされたことと、問い合わせを実際に受け付けたことは別です。さらに、相談が対応範囲に合うか、打合せを実施したか、受注したかも別に記録します。同じ期間の受付記録と営業の記録を見て、対応できない相談が多ければ対象条件の説明を見直し、回答が滞っていれば担当や範囲を調整します。
例えば、点検の説明ページを公開した後、Google Search Consoleの検索パフォーマンスで期間・国・端末をそろえ、「検索キーワード」の表で調べたい検索語を選んでから「ページ」を開くと、その検索語で表示されたURLを確認できます。対象ページについて表示回数・クリック数・クリック率・平均掲載順位を記録し、受付記録とは別に見ます。
平均掲載順位が1でも、すべての検索で常に1位だったとは限りません。
検索語には匿名化などで表示されないものがあるため、行が見つからないこともゼロや問い合わせなしの証拠にはなりません。検索語とURLを別々に集計した数字だけから、両者の組合せを推定しないようにします。
Google Analyticsには、情報の提出を表す generate_lead、条件に合うと判定した段階の qualify_lead、こちらからの連絡や相手からの問い合わせを表す working_lead などの推奨イベントがあります。イベント名を設定するだけで、実際の受付や商談が確認されるわけではありません。自社の受付・営業記録の定義と照合し、取得できていないものは未確認のままにします。詳しくはGoogleの推奨イベントを確認してください。
今日からできること
架空の二組を例に、確認済みと未確認を分け、担当に確かめてから試すか保留するか決めます。

扱う商品やサービスと、それぞれを検討する相手の仕事を並べます。次に、実際の相談や担当者の確認で分かっていること、未確認の条件、回答できる人を一組ずつ確かめます。条件と担当が確認できれば一組から試し、残りは確認先と見直す時期を決めて保留します。情報がそろわなければ、選択そのものを保留して構いません。
受け取った相談が対応範囲に合っていたか、答えるのに必要な情報が足りたかを営業・現場と振り返り、対象と説明を更新します。順位や問い合わせの増加は、この方法を実行しただけでは保証されません。
相談を整理したいとき
扱っている商品・サービス、相手の仕事、確認できた資料、相談に対応できる人を整理すると、何から始めるかを相談しやすくなります。対応範囲と条件は個別にご確認ください。
参考資料と確認範囲
次の架空の説明図は、顧客の課題、検索の記録、受付後の状態について、それぞれどの資料を参照するかを示します。図中のグラフや資料は実績ではありません。

- IPA:サービスデザイナーの役割 — 顧客・関係者の課題把握と、価値の設計における事業・技術の観点と、その実現可能性。架空例の優先順位を証明するものではありません。確認日:2026-10-29。
- Google Search Console:検索パフォーマンスの使い方 — 検索語を選んで表示されたページを確認する手順と平均掲載順位の意味。確認日:2026-10-29。
- Google Search Console:ディメンションとデータのグループ化 — 検索語の匿名化と表示行の制限。確認日:2026-10-29。
- Google Analytics:推奨イベント — リードの提出、適合判定、連絡や問い合わせなどのイベント定義。確認日:2026-10-29。
- Google Search Central:有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツ — 想定読者に役立つ情報と独自の価値を確認する指針。順位の保証ではありません。確認日:2026-10-29。
仕事の流れから、顧客との接点まで。
一体で見直す、最初の一歩を。


