DX

SIerとSESの違いは?頼む仕事と指示・契約の確認点

架空の部品卸会社で、発注担当と受注業務担当が、注文画面を外部へ頼む二つの提案と、仕事や指示の確認点を見比べる説明用の生成画像。

架空の部品卸会社の発注担当と受注業務担当が、紙と表計算に分かれた注文を、一つの受付画面で確認する仕事を検討しています。SIerとSESの名前だけを見て、誰が仕様を決め、作業を取りまとめ、担当者へ指示するのか分からないため、依頼方法を決めかねています。

同じ注文画面の二案を、頼む仕事・役割・指示・契約原文から比べます。両案へ何を質問し、回答後にどう選ぶか、何を保留するかまで説明します。

説明用の生成画像です。実在の会社・提案書・契約・打合せや、確定した作業範囲を示す写真ではありません。

SIerはシステムの構築や統合を手掛ける事業者の呼び方、SESは技術者の作業を提供するサービスの呼び方として、違う軸で読みます。

名前だけで、丸ごと任せられる範囲、指示できる相手、完成の約束、契約の種類は決まりません。今回頼む仕事をそろえ、誰が仕様と作業をまとめ、誰が担当者へ指示し、何で結果を確かめるかを、両案の回答と契約原文で確認します。

同じ発注担当が、システム構築の相談と開発要員の支援案を区別して読むための説明用資料。実企業・実契約・実施結果ではない。 以下の二案を、実際に採用した会社や契約の比較として読まないでください。

SIerとSESは、会社とサービスという違う軸で理解する

SIはSystem Integrationの略で、システムを組み合わせ、業務で使う仕組みとして構築する仕事を指します。SIerは、その仕事を行う事業者を表す呼び方です。一方、SESはSystem Engineering Serviceの略として使われ、プロジェクトの業務に技術者の作業を提供するサービスを指す実務上の呼び方です。

まず、何を表す言葉かを分ける
SI システムの構築・統合という仕事を見る言葉。
SIer その仕事を手掛ける事業者を見る言葉。
SES 技術者による作業支援という、提供するサービスを見る言葉。

厚生労働省job tagのITの仕事の解説も、SIerをシステム構築・保守などを行う企業として、SESをプロジェクトの業務へ技術者の労働を提供する仕組みとして説明しています。これは業界・職業の全体像を知る資料です。個別の発注でどの業務を引き受け、どの契約にするかを保証する説明ではありません。

英語のsystem integratorについても、NISTの用語集は、調達する側に合わせた開発・試験・運用・保守などのサービスを行う組織という文脈で説明しています。日本のSESの契約や、今回の相手が扱う業務を定める資料としては使いません。

同じ提案を、違う二つの問いで読む
  • 会社について:「SIer」と呼ばれる事業者は、どの仕事を提供する会社か。
  • サービスについて:今回の「SES」という説明では、どの技術作業を、どの体制で支援するか。
  • 今回の注文画面について:その提案には何が含まれ、誰が取りまとめるか。

どちらか一方に会社を分類すれば済むわけではない

SIerと呼ばれる会社の提案でSESという支援方法が使われることもあり、二つの呼び名は対立する会社分類とは限りません。また、SESという説明があっても、必要な業務整理や管理の支援まで含むかは別に確かめます。「SIerなら全部任せられる」「SESなら自社で自由に担当者へ指示できる」と読み替えないことが大切です。

SIerの仕事全体や、発注する側に残る業務整理を知りたい段階なら、SIerに依頼できる仕事と発注前の確認点も参考にできます。ここでは、同じ仕事をどういう体制で依頼するかという比較へ進みます。

同じ注文画面を、二つの提案へ伝えて比べる

この例で共通して伝える仕事は、注文を登録し注文番号で探す受付画面を検討する。必要な項目と試用条件は未確定。というものです。一方だけに業務整理から頼み、もう一方には画面を作る作業だけを伝えたままでは、同じ条件の提案か分かりません。機能の名前に加え、今使っている紙や一覧、誰が何を確かめたいかを両者へ示します。

共通の仕事に対する、説明用の二つの案
仕事 構築範囲を相談する案 開発作業を支援する案
案の呼び方 構築範囲を相談する案構築範囲を相談する案 開発作業を支援する案開発作業を支援する案
相手の表示 構築範囲を相談する案SIer 開発作業を支援する案SES
提案に書かれた説明 構築範囲を相談する案業務確認から画面の設計・構築を相談できる 開発作業を支援する案開発担当者が注文画面の作業を支援する

左の説明は、業務確認から設計・構築を相談できるというものです。右の説明は、開発担当者が作業を支援するというものです。この文章だけでは、どちらも、仕様を決める仕事や全体管理、日々の指示、成果物まで引き受けたとは分かりません。

図で見る問い:同じ注文画面を頼む場合、何を引き受け、誰が作業をまとめるかは、二案のどこを見ればよいでしょうか。

同じ注文受付の仕事に対する二つの未確定提案を、仕様をまとめる役割と日々の指示先という問いで読む関係を示す模式図。この解説図を原寸で見る
架空の二つの提案について、何を確かめるかを示す図です。実際の仕様、作業の指示系統、契約の成立や法的区分を確定したものではありません。

図の読み方:注文受付という共通の仕事から、構築範囲を相談する提案と、開発作業を支援する提案を読み分けます。人物や線は実際の指示系統を確定するものではありません。仕様をまとめる役割と日々の指示先の回答を、提案書・契約原文へ戻して確かめます。

二案とも未確定の項目は、次に聞くことへつなげる

現時点で未確認という状態は共通しています。回答の内容や、実際に引き受ける範囲まで同じだという意味ではありません。

  • 作業範囲:未確定。含む作業と対象外を、両者へ尋ねる。
  • 成果物:未確認。何を受け取り、何で内容を確かめるかを尋ねる。
  • 指示の流れ:未確認。誰が作業を取りまとめ、担当者へ指示するかを尋ねる。
  • 契約の種類:未確認。名称から補わず、契約原文と運用の説明を受ける。
  • 価格:未確認。今回の範囲が分かる資料で条件を尋ねる。
  • 完成の確認:未確認。誰が何を確かめて完了とするかを尋ねる。

「未確定」「未確認」は、対応しない、料金が不要、問題がある、という結論ではありません。相手の説明を読んでから確認する項目です。価格が未確認なので、この記事では架空の見積額や人月・単価を補いません。二案も、うまくいかなかった前後の記録ではありません。

仕様を決める仕事と、開発作業をまとめる仕事を分けて尋ねる

自社が決める業務と、支援してもらう整理を具体化する

受注業務担当は、注文の内容を誰が確かめ、どこで困っているかを説明します。発注担当は、何を今回の対象にするか、社内で誰が判断するかをそろえます。その希望から画面の項目や動きを具体化する作業は、誰にどこまで支援してもらうかを尋ねます。

たとえば「注文を登録し、注文番号で探したい」という希望だけで、入力項目、修正、入力違い、利用する人、試用時の確認条件まで決まるわけではありません。提案相手が業務確認から仕様の案をまとめるのか、自社が用意した仕様に沿って作業するのか、その間の分担なのかを確認します。SIerやSESの呼び名から埋めないでください。

担当者がいることと、全体を管理する役割があることは別

プログラムを書く担当者がいても、仕事の分割、他の画面との調整、進み具合の把握、試験と修正、変更の判断まで誰がまとめるかは別です。自社で取りまとめる前提なら、その役割を担う人と時間、開発内容を確かめる体制が必要になります。そこが足りない場合は、管理や仕様整理の支援も含む案を求めます。

逆に、相手に取りまとめを依頼する場合も、自社の業務判断まで全て移るわけではありません。受注業務として何が必要か、試した結果を誰が確認するか、追加の希望を誰が決めるかは、自社と相手の役割を対応させます。窓口の肩書だけで、今回の担当範囲がそろったとはしません。

両案への聞き方:「業務の希望を仕様の案にする作業、開発作業を分けて進み具合をまとめる役割、試用後の修正を整理する役割は、それぞれ誰が引き受けますか。今回の範囲と対象外も教えてください。」

業務の説明と、外部の作業担当者への日々の指示を混ぜない

「この注文番号で探したい」と業務の必要性を説明することと、外部の作業担当者へ作業方法や勤務時間、仕事の割り付けを直接指示することは、同じではありません。誰が依頼を受け、作業に落とし込み、担当者へ指示する運用なのかを、両者で確認します。

厚生労働省の派遣・請負のガイド案内は、区分を契約の名称だけでなく実態に即して判断すると説明しています。SESという呼称や、契約書の表題だけから、今回の指示を自由に出してよいとも、違法だとも決めません。

話すことを全て禁止するのでも、チャットの参加だけで判断するのでもない

同省のシステム開発に関する疑義応答集・第3集のQ1〜Q6は、アジャイル型開発の条件の下で、対等な協働や情報提供・助言と、実態としての作業方法・労働時間等への指示を区別しています。受注者側の自律的な判断など、説明された条件を外して「直接話したら全て問題」「会議に管理者がいれば問題ない」と一般化しないでください。

このため発注前には、相談内容を誰が受け取り、仕様の希望と作業指示をどう扱い分けるかを聞きます。共有チャットや会議を使う場合も、誰が業務上の要望を伝え、誰が作業の割り付けや方法を判断するかを明確にします。チャットの図や窓口の名簿だけでは、実際の運用を確認したことにはなりません。

具体的な契約の分類や適法性は、契約原文と実際の体制をそろえ、社内の契約・法務担当や必要な専門家・関係窓口へ確認してください。この架空例の法的分類は未確認です。この記事は、個別の契約を適法と判定するものではありません。

提案書と契約原文で、引き受ける範囲と確認方法を合わせる

営業説明にあった支援が、見積書・提案書・契約書のどこに、どの条件で書かれているかを尋ねます。口頭で「対応できます」と聞いただけで、今回の範囲や責任が決まったとは扱いません。本文と別紙の対象業務、対象外、前提、自社が用意するものを対応させます。

書類の呼び名ではなく、今回の仕事に戻して読む
仕様をまとめる役割 ヒアリング、仕様の案、未決事項の整理を誰が行い、自社は何を決めるか。
作業を進める体制 作業の取りまとめ、日々の指示、関係者間の調整、回答する窓口は誰か。
成果の確かめ方 画面や資料など何を受け取り、誰がどの条件で確かめ、修正や完了をどう扱うか。
変更・追加と引継ぎ 希望の追加、担当交代、途中終了時の資料・作業状況・利用権限などをどう引き継ぐか。

契約で約束する内容と、支払い方も分ける

SIerという名札から「完成まで定額で全部含む」とは決まりません。SESという名札から「時間払いで、成果の確認は不要」とも決まりません。仕事の完成や役務の実施など何を引き受けるか、確認方法、請求・支払いの条件は、実際の資料でそれぞれ確かめます。

固定金額と時間払いの比較が必要な段階では、同じ仕事の範囲で支払方式を比べる方法へ進めます。本稿は、料金計算や上限の比較を繰り返すのではなく、誰が何を引き受ける体制かを揃える説明です。

この例の実際の契約は未確認、実施した仕事は未確認、実際の結果は未確認です。説明のために作った二案を、既に契約・開発・導入した実績としては扱いません。

自社が必要な役割を担えるかと、相手の回答から依頼方法を選ぶ

仕様や取りまとめの支援が必要な場合

自社は業務の困りごとを説明できても、画面の仕様をまとめたり、作業の依存や試験を管理したりする役割が足りない場合があります。そのときは、必要な整理・管理を支援範囲に含められるかを両案へ聞きます。「担当者を出せる」という回答だけでは、足りない役割を埋める案か分かりません。

相手の提案に必要な支援が含まれ、対象外や自社の判断も理解できるなら、その体制を候補として検討できます。SIerと呼ばれる会社なら自動的に当てはまる、という選び方ではありません。提案で確かめる条件です。

自社側に開発をまとめる体制がある場合

仕様や作業を整理し、進捗や成果を確認する役割を自社で確保できる場合は、必要な技術作業の支援を受ける案も検討できます。その場合も、作業内容、担当する範囲、日々の指示の流れ、変更時の判断を合意する必要があります。SESという説明だけを、外部担当者を自社の従業員と同じように扱う許可へ読み替えません。

回答が足りない場合は、名称で勝敗を決めず条件へ戻る

必要な仕事をどちらも引き受けないなら、どちらかを無理に選ぶ前に依頼の組み方を見直します。範囲を絞って相談する、仕様整理と開発の分担を組み直すなど、足りない役割から再相談します。契約や指示の運用に疑問がある場合は、その部分を保留し、原文と具体的な体制を確認します。

同じ人が窓口になっていても、何を判断し、どこまで引き受けるかが違えば比較の条件は変わります。人の紹介だけでなく、今回の仕事と確認方法の回答を判断材料にしてください。

両案へ同じ質問を返し、回答と根拠の箇所で比較を更新する

最初の質問では、共通の注文画面の希望を伝えたうえで、次の内容を両者へ返します。相手ごとに確認する内容がばらばらにならないよう、何を知れば体制を選べるかをそろえます。

  • 誰が業務の希望を仕様にまとめるか。
  • 各案に含む作業・対象外・成果の確かめ方は何か。
  • 作業担当へ日々の指示を出すのは誰か。
  • 変更・追加・引継ぎをどう扱うか。
  • 提案書と契約原文のどこに書かれるか。
質問をつなげた例:「注文を登録し、注文番号で探す受付画面を検討しています。項目や試用条件は未確定です。業務の希望を仕様にまとめる役割と開発作業の取りまとめ、担当者への日々の指示は、どちらが担いますか。今回含む作業、成果の確かめ方、変更・引継ぎを、提案書や契約原文の該当箇所と一緒に教えてください。」
返答を受けた後に行うこと
  1. 回答を読む:どの仕事・役割・運用への回答かを、参照する資料と対応させる。
  2. 比較へ戻す:相手の説明と今回含む範囲を更新し、未回答の項目は残す。
  3. 判断する:自社と相手の体制で必要な仕事が成立するかを確かめ、原文の確認と社内判断へ進む。

資料の版や対象範囲が違う場合は、どの回答が今回の提案に適用されるかを聞き直します。役割の記述と実際の運用が合わない場合も、契約の表題だけで済ませず、関係する担当へ戻します。未回答があれば、それを推測で埋めて採用しないでください。

この例の回答後の選択結果は未確認です。質問を書いたこと、回答を受けたこと、契約で引き受ける内容を確認したこと、実際に作業が行われたことは、それぞれ分けて記録します。

外部の開発支援を検討する困りごとは、業界経験はあるがアプリ開発経験のない発注側の公開相談にも見られます。英国の一人の相談であり、日本のSESの定義や国内の需要量、依頼先の成功実績を示すものではありません。回答者の営業提案や価格を、この例の条件には移していません。

まとめ:呼び名より、頼む仕事と指示・確認の関係をそろえる

SIerとSESは、事業者とサービスという違う軸で読みます。同じ会社が複数の支援を提供する場合もあるため、名称だけで作業範囲や契約の種類、指示の方法を確定できません。

同じ注文画面の希望を両案へ伝え、仕様をまとめる役割、作業の取りまとめ、日々の指示、成果の確認、変更・引継ぎを資料で比べてください。自社で担える役割と足りない役割も合わせ、回答がない部分は保留して確かめます。契約名と実態を分け、個別の法的判断は原文と運用を揃えて適切な担当へ相談します。

最初の一歩:今回頼みたい仕事を一つ挙げ、「業務の希望を仕様へまとめる人」と「開発担当者へ日々の指示を出す人」は誰か、両案の窓口へ同じ問いを返してください。その回答が提案書のどこに書かれるかまで確かめます。

2026年10月25日に、job tagの業界用語、厚生労働省の現行案内・ガイドの必要箇所と疑義応答集第3集Q1〜Q6、NIST用語集の定義と出典文脈、公開相談の本人投稿・本人返信を確認しました。法的区分の判定、実顧客の取材や市場の数量調査を実施した記事ではありません。

外部へ頼む仕事と、自社に残す役割を整理したい方へ

今の業務、受け取った説明、判断しにくい役割や範囲をもとに、依頼先へ確かめる内容を整理します。

システム開発の依頼範囲と体制を相談する

仕事の流れから、顧客との接点まで。
一体で見直す、最初の一歩を。

AI・DXとマーケティングを一体で相談

KEEP EXPLORING

次のヒントを、もうひとつ。

すべての記事を見る

LET’S CONNECT THE DOTS.

次の一歩を、
一緒につくる。

業務も、AIも、集客も。
課題がまだ整理できていなくても、ご相談ください。

AI・DXとマーケティングを一体で相談