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AI・自動化

問い合わせ対応をAIで一次対応する方法|電話・メール・チャットの初動を止めないコツをDREEXYが解説

2026.07.11by DREEXY編集部

「電話が鳴るたびに作業が止まる」「問い合わせメールの返信が、気づけば夕方まで後回しになっている」「土日や営業時間外の問い合わせに気づけず、翌週にはお客様が他社へ流れていた」——。人手が限られる中小企業では、心当たりのある光景だと思います。

問い合わせ対応は、一件ずつは数分でも、積み重なると担当者の一日を静かに奪っていきます。そして厄介なのは、その多くが「同じような質問」だということです。営業時間、料金、在庫、予約の空き、場所への行き方——。毎回ゼロから答えているこの部分こそ、AIに任せられる余地が一番大きい場所です。

この記事では、中小企業が問い合わせ対応を「AIで一次対応する」ための考え方と進め方を、正直な線引きつきで解説します。まず要点を先にお伝えします。

  • AIに任せるのは「一次対応(初動)」まで。よくある質問への即答・要件の聞き取り・担当への振り分けが得意分野です。
  • 最終判断・クレーム・見積の確約は人が担う。AIは“受付”であって“意思決定者”ではありません。
  • 電話・メール・チャット・SNSのDMなど、入口ごとに向き不向きがあります。全部を一気にやらず、件数の多い入口から始めるのが定石です。
  • 効果は「削減できた対応時間」と「取りこぼしの減少」で測ります。派手な数字より、まずこの2つです。
  • 小さく始めれば、初期費用を抑えて試せます。うまくいけば対象を広げ、合わなければ止められる——それがAI一次対応の始め方です。

そもそも「AIによる一次対応」とは何か

AIによる一次対応とは、お客様からの問い合わせに対して、AIが最初の受け答え(初動)を自動で行い、定型的な質問にはその場で答え、判断が必要なものだけを人につなぐ仕組みのことです。

もう少し具体的に言うと、次のような役割をAIが担います。

  • 即答:営業時間・料金・アクセス・在庫の有無など、答えが決まっている質問にその場で回答する。
  • 聞き取り:「どのようなご用件ですか」「お名前とご連絡先を教えてください」と、必要な情報を整理して受け付ける。
  • 振り分け:内容を判断して、「これは営業担当へ」「これは技術サポートへ」と適切な人・部署に渡す。
  • 記録:やり取りの内容を要約して残し、あとで人が確認できるようにする。

ポイントは、AIが「人の代わりにすべてを完結させる」わけではないことです。受付の役割を担い、人がやるべき仕事だけを人の手元に残す——これが一次対応の本質です。窓口に立って用件を聞き、担当者に取り次いでくれる“もう一人の受付スタッフ”をイメージすると近いかもしれません。


AIにできること・できないこと(正直な線引き)

過大な期待も、逆に「AIなんて使えない」という決めつけも、どちらも失敗のもとです。いまのAIで現実的にできること・できないことを、正直に整理します。

AIが得意なこと

  • 繰り返しの多い質問への即答:「何時まで営業していますか」「駐車場はありますか」など、答えが変わらない質問。
  • 24時間・365日の受付:夜間や休業日でも一次受付を止めない。取りこぼしを減らせます。
  • 一次的な情報の聞き取りと整理:名前・連絡先・用件を漏れなく受け取り、要約して残す。
  • 同時対応:電話と違い、複数の問い合わせに同時並行で応じられる(チャット・メールの場合)。
  • 下書きの作成:メール返信のたたき台をAIが用意し、人は確認・修正するだけにする。

AIが苦手・任せてはいけないこと

  • クレームや感情的なやり取りの最終対応:AIに謝罪や落とし所の判断まで委ねるのは危険です。人が出るべき場面です。
  • 料金・納期の「確約」:条件によって変わる見積を、AIに言い切らせてはいけません。誤情報はトラブルに直結します。
  • 前例のない・込み入った相談:判断材料が社内にしかない案件は、人が引き取る前提で設計します。
  • 100%の正確さ:AIは“もっともらしい間違い”をすることがあります。だからこそ、確約が必要な領域は人に渡す設計が必須です。

この線引きを最初に決めておくことが、AI一次対応を安全に運用する一番の勘所です。「AIが答えていい範囲」と「必ず人につなぐ範囲」をルール化しておけば、暴走もお客様への迷惑も防げます。


業種別・どの入口から始めるとよいか

問い合わせの入口は業種によって違います。自社に近いところから読んでみてください。

店舗・サービス業(小売・飲食・美容・地域サービス)

多いのは「予約したい」「空いていますか」「今日はやっていますか」という問い合わせです。まずはWebサイトやお店のSNS(InstagramやLINE公式アカウント)に、よくある質問に答えるチャット窓口を置くのが入口として現実的です。営業時間・定休日・アクセス・予約可否を即答できるだけでも、電話の本数はぐっと減ります。「予約の確定」だけは人(またはネット予約システム)に渡す設計にします。

製造・卸・BtoB

「この製品の在庫はありますか」「納期はどれくらいですか」「対応可能な仕様か知りたい」といった、担当者に電話が集中しがちな問い合わせが対象です。問い合わせメールの内容をAIが読み取り、要件を整理して担当へ振り分け、返信の下書きまで用意する使い方が向いています。確約が必要な見積・納期は、必ず人が最終確認してから返します。

バックオフィス・全社共通

社内外からの「あの書類はどこ」「手続きの方法を教えて」といった定型質問も、AI一次対応の対象です。社外向けなら、お問い合わせフォームの前にFAQ型のAI窓口を置くと、そもそも問い合わせ自体を減らせます。人手不足の総務・経理にとって、これは地味ですが効く一手です。


進め方:4つのステップ

AI一次対応は、いきなり全部を自動化しようとすると必ずつまずきます。次の順番で、小さく確かめながら進めるのが失敗しないやり方です。

ステップ1:問い合わせを「棚卸し」する

まず、いま来ている問い合わせを1〜2週間分だけでいいので書き出します。「どの入口(電話・メール・SNS)から」「どんな内容が」「何件くらい」来ているかを見える化します。ここで「同じ質問の上位5つ」が見えれば十分です。AI化の効果は、この“繰り返し部分”の大きさで決まります。

ステップ2:任せる範囲と「人に渡す線」を決める

棚卸しをもとに、「AIが答えていい質問」と「必ず人につなぐ質問」を仕分けします。前章の線引きを、自社の言葉でルールにしていく作業です。ここを丁寧にやるほど、あとの運用が安全になります。

ステップ3:一番件数の多い入口だけで試す

いきなり全チャネルではなく、最も件数が多く・定型的な入口を一つだけ選んで試験導入します。多くの場合、Webサイトのチャットか、よくある質問への自動返信から始めるのが取り組みやすいです。まずは社内で使ってみて、答えの精度を確かめます。

ステップ4:AIの回答を見ながら育てる

運用が始まったら、AIが実際にどう答えたかを人が定期的に確認します。間違えた回答・答えられなかった質問を拾って、FAQや設定を追記していきます。AI一次対応は「入れて終わり」ではなく、使いながら賢くしていくものです。ここを回せる体制があるかどうかが、成否を分けます。


Q&A:導入前によくある不安

Q. うちは数名の会社です。それでも導入できますか? A. はい、むしろ人数が少ない会社ほど効果を感じやすい打ち手です。一人が電話と作業を掛け持ちしている状況では、一次受付を任せられるだけで負担が大きく変わります。小さく始められる方法から検討するのがおすすめです。

Q. 社内にIT担当がいません。運用できますか? A. 現在のツールは、専門知識がなくても「よくある質問と答え」を登録すれば使える形が増えています。とはいえ最初の設計(任せる範囲の線引き・FAQの整理)はコツが要るので、ここは伴走してくれる相手と一緒に決めると安全です。

Q. AIが間違った回答をしてお客様に迷惑をかけないか心配です。 A. 正直に申し上げると、AIは間違えることがあります。だからこそ、確約が必要な領域(料金・納期・契約)はAIに言い切らせず人に渡す設計にします。「AIは受付、判断は人」の線引きが、この不安への一番の対策です。

Q. 情報漏えいは大丈夫ですか? A. 顧客情報や社内資料をどこまでAIに渡すかは、導入前に必ず決めるべき論点です。扱うデータの範囲・保存場所・利用ルールを社内で取り決めてから始めてください。セキュリティのルール作りは、AI導入とセットで考えるべきテーマです。

Q. 導入したら人は要らなくなりますか? A. いいえ。目的は人を減らすことではなく、人にしかできない仕事に時間を戻すことです。定型的な受付をAIに任せ、その分、提案や丁寧な個別対応に人の力を使う——というのが現実的な狙いです。


費用対効果の考え方

AI一次対応の効果は、派手な数字ではなく、次の2つの軸で地に足をつけて考えるのが現実的です。

  1. 削減できた対応時間:「1件の一次対応にかかっていた時間 × 月間の問い合わせ件数 × AIに任せられる割合」で、ざっくりの削減時間が見えます。たとえば1件5分・月200件・そのうち半分が定型なら、月に約8時間分の手が空く計算です。この時間を、より価値の高い仕事に振り向けられます。
  2. 取りこぼしの減少:営業時間外や電話が重なった時に対応できず失っていた問い合わせが、どれだけ拾えるようになったか。1件の受注単価が大きい業種ほど、ここの効果は無視できません。

大切なのは、導入前に「いまどれだけ時間と機会を失っているか」をざっくりでも把握しておくことです。それがないと、導入後に「効果があったのか分からない」となりがちです。ステップ1の棚卸しは、この“比較の基準”を作る作業でもあります。

なお、ツールの月額費用だけでなく、初期の設計や運用にかける手間もコストです。だからこそ「一番件数の多い入口だけ」から小さく始め、効果を確かめてから広げる進め方が、費用対効果の面でも理にかなっています。


まとめ:まず「一番多い質問」から任せてみる

問い合わせ対応をAIで一次対応する——それは、人を減らすための話ではなく、繰り返しの受付から人を解放し、判断や提案という人にしかできない仕事に時間を戻すための取り組みです。

改めて要点です。

  • AIに任せるのは一次対応(即答・聞き取り・振り分け)まで。判断・確約・クレームは人が担う。
  • 一番件数が多く定型的な入口を一つだけ選んで、小さく試すのが失敗しないやり方。
  • 効果は削減できた時間と取りこぼしの減少で測る。導入前の棚卸しがその基準になる。

いきなり完璧を目指す必要はありません。まずは「毎日同じことを聞かれているな」と感じる、その一番多い質問から任せてみる。それだけでも、担当者の一日は少し軽くなります。

DREEXYは北海道・札幌を拠点に、全国のお客様へオンラインでも対応しています。ITに詳しくない会社でも「どこから・何を・どう始めるか」を一緒に決めるところから伴走します。「まず自社の問い合わせを棚卸しするところから相談したい」——そんな段階でも構いません。

問い合わせ対応の自動化は、人手不足を解消する「AI社員」という考え方の入口の一つです。全体像は、こちらのピラー記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

中小企業の人手不足は「AI社員」で解決できる|業務自動化の始め方

DREEXY編集部

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