WordPressで301リダイレクトを設定する方法|SEO効果を高めるための完全ガイド
WordPressでサイトを運営しているあなたは、URLの変更が必要になったり、ページを統合したりする場面に遭遇するかもしれません。そんな時、301リダイレクトを正しく設定しないと、SEO評価を落としてしまい、アクセス数減少に繋がる可能性も。この記事では、WordPressで301リダイレクトを設定する方法を、プラグインを使った簡単な方法から、テーマ編集や.htaccessファイルを使った応用的な方法まで、図解を交えながらわかりやすく解説します。さらに、リダイレクト設定後の確認方法や注意点、302リダイレクトとの違いなど、知っておきたい情報も網羅。この記事を読めば、安全かつ確実に301リダイレクトを実装し、SEO効果を維持しながらサイト運営できます。
1. 301リダイレクトとは?その重要性をわかりやすく解説
Webサイトを運営する上で、ページのURLを変更したり、サイト全体を移転したりする場面は少なくありません。このような場合に重要な役割を果たすのが「301リダイレクト」です。301リダイレクトは、WebサイトのSEO効果を高め、ユーザー体験を向上させるために欠かせない技術です。ここでは、301リダイレクトの基本から、WordPressでの設定方法、注意点までを詳しく解説します。
1.1 SEOにおける301リダイレクトの役割
301リダイレクトは、検索エンジンに対して「このページは恒久的に別のURLに移動しました」と伝える役割を担っています。これにより、旧URLが持っていた評価(ページランク)を新URLに引き継ぐことが可能になります。評価が適切に引き継がれることで、検索エンジンのランキングで上位表示を目指しやすくなるというメリットがあります。
もし301リダイレクトを設定せずにURLを変更してしまうと、検索エンジンは旧URLと新URLを別々のページとして認識してしまいます。その結果、旧URLが持っていた評価は新URLに引き継がれず、検索順位が下落してしまう可能性があります。また、サイトの評価が分散してしまうことで、新規ページのインデックスが遅延する可能性も懸念されます。
301リダイレクトを正しく設定することで、SEOの観点から以下のようなメリットがあります。
- 検索順位の維持・向上
- サイト評価の分散を防ぐ
- ユーザーを適切なページに誘導する
1.2 ユーザー体験を向上させる301リダイレクト
301リダイレクトはSEOだけでなく、ユーザー体験の向上にも大きく貢献します。例えば、サイトのリニューアルなどでURLが変更になった場合、旧URLにアクセスしたユーザーは、301リダイレクトによって自動的に新URLに誘導されます。これにより、「ページが見つかりません」というエラーページが表示されることを防ぎ、ユーザーのストレスを軽減することができます。
また、サイトの訪問者を適切なページに誘導することで、直帰率の低下やコンバージョン率の向上も期待できます。ユーザーが求める情報にスムーズにアクセスできる環境を整えることは、顧客満足度を高め、長期的な視点でビジネスの成長に繋がる重要な要素と言えるでしょう。
301リダイレクトによってユーザー体験を向上させることができる例として、以下のようなものが挙げられます。
- 旧URLへのアクセスを新URLへ自動的に転送
- ユーザーが求める情報にスムーズにアクセスできる環境を提供
- エラーページの表示を回避し、ユーザーのストレスを軽減
301リダイレクトは、SEOとユーザー体験の両面において重要な役割を果たす、Webサイト運営に欠かせない技術です。WordPressでサイトを運営している方は、ぜひこの機会に301リダイレクトについて理解を深め、適切に設定することをおすすめします。
参考資料:
2. WordPressで301リダイレクトが必要なケース
WordPressでサイト運営をしていると、様々な場面で301リダイレクトが必要になります。ここでは、WordPressで301リダイレクトが必要なケースを具体的に解説していきます。
2.1 サイト移転やドメイン変更
サイトを別のドメインに移転する場合や、独自ドメインに変更する場合、旧ドメインから新ドメインへの301リダイレクト設定が必須です。これを行わないと、検索エンジンは別サイトとして認識してしまい、検索順位がリセットされる可能性があります。また、ブックマークやSNSからのアクセスも新サイトに誘導できず、ユーザーを失ってしまうことになります。
2.1.1 サイト移転時の301リダイレクト設定
サイト移転時に301リダイレクトを設定することで、旧サイトへのアクセスを新サイトへスムーズに転送することができます。これにより、検索エンジンの評価を引き継ぎ、ユーザーにとっても快適なサイト移転を実現できます。
2.1.2 ドメイン変更時の301リダイレクト設定
独自ドメインへの変更など、ドメインを変更する場合も同様に301リダイレクト設定が必要です。旧ドメインで獲得した検索順位やアクセス数を新ドメインに引き継ぐために、適切なリダイレクト設定を行いましょう。
2.2 URLの正規化
URLの正規化とは、同一ページに複数のURLが存在する場合に、アクセスを正規URL(Canonical URL)に一本化することを指します。例えば、以下の様なケースです。
- http://example.com/
- http://example.com/index.html
- https://example.com/
これらのURLは全て同じページを表示しますが、検索エンジンは別々のページとして認識してしまいます。このような重複コンテンツを防ぐために、301リダイレクトを用いて正規URLにアクセスを集約する必要があります。URLの正規化には、主に以下の2つのメリットがあります。
2.2.1 クロール効率の向上
301リダイレクトによって正規URLにアクセスを集約することで、検索エンジンはサイト内のページを効率的にクロールできるようになります。これは、サイトの評価向上にも繋がります。
2.2.2 SEO効果の集中
複数のURLに分散していたSEO効果を正規URLに一本化することで、検索順位向上に効果が期待できます。また、重複コンテンツとみなされるリスクも回避できます。
2.3 ページ統合
サイトリニューアルなどで複数のページを1つに統合する場合、削除するページのURLは、統合後のページへ301リダイレクトを設定する必要があります。これにより、ユーザーは古いURLにアクセスしても、適切な情報にたどり着くことができます。
2.3.1 ページ統合とSEO
ページ統合を行う際は、SEOへの影響を考慮することが重要です。統合前のページが検索エンジンで上位表示されていた場合、301リダイレクトを適切に設定することで、その順位を統合後のページに引き継ぐことができます。逆に、リダイレクト設定が不十分だと、検索順位が下落する可能性があります。
2.3.2 ユーザー体験の向上
ページ統合によってユーザーが混乱しないよう、分かりやすいリダイレクト設定を行うことが大切です。古いURLにアクセスしても、スムーズに統合後のページに移動できるよう、適切な301リダイレクトを設定しましょう。
2.4 WordPressテーマの変更
WordPressテーマを変更すると、URL構造が変わる場合があります。その場合、旧テーマで使用していたURLに対して、新テーマの対応するURLへの301リダイレクトを設定する必要があります。これにより、テーマ変更後もユーザーが迷うことなくサイトを利用できるようになります。
2.4.1 パーマリンク構造の変更
WordPressテーマの変更に伴い、パーマリンク構造を変更する場合があります。パーマリンク構造が変わると、記事や固定ページのURLも変更されるため、301リダイレクト設定が必須となります。変更前のURLに対して、変更後のURLへのリダイレクトを設定することで、ユーザーのアクセスを適切なページに誘導することができます。パーマリンク構造の変更は、SEOにも影響を与える可能性があるため注意が必要です。変更前に使用していたURL構造がSEO的に優れていた場合、安易に変更すると検索順位が下落するリスクがあります。パーマリンク構造を変更する場合は、SEOへの影響を十分に考慮した上で、慎重に実施する必要があります。
2.4.2 テーマ変更によるURL変更への対応
WordPressテーマの中には、独自の投稿タイプやカスタム投稿タイプを使用するものがあります。テーマを変更する場合、これらの投稿タイプに対応するURL構造も変更される可能性があります。テーマ変更によってURLが変更される場合は、301リダイレクト設定を行い、変更前のURLから変更後のURLへアクセスを転送する必要があります。これにより、ユーザーはテーマ変更後も、カスタム投稿タイプの記事にアクセスすることができます。また、検索エンジンに対しても、URLの変更を正しく伝えることができます。
これらのケース以外にも、WordPressでサイトを運営していると、様々な場面で301リダイレクトが必要になります。301リダイレクトを適切に設定することで、SEO効果を高め、ユーザー体験を向上させることができます。是非、この機会に301リダイレクトについて理解を深めてみてください。
参考資料:
WordPressで301リダイレクトを設定する方法|SEO効果を高めるための完全ガイド【2023年最新版】 – バズ部
3. WordPressで301リダイレクトを設定する3つの方法
WordPressで301リダイレクトを設定するには、主に以下の3つの方法があります。それぞれの手順や特徴を踏まえ、状況に応じて最適な方法を選択しましょう。
3.1 1. プラグインを使う方法
WordPressで301リダイレクトを設定する最も簡単な方法は、プラグインを利用することです。数あるプラグインの中でも、Redirectionは多機能で使いやすく、おすすめです。
3.1.1 Redirectionプラグインのインストールと設定
- WordPressの管理画面にログインし、「プラグイン」→「新規追加」を選択します。
- 検索窓に「Redirection」と入力し、該当プラグインを見つけたら「今すぐインストール」をクリックします。
- インストールが完了したら「有効化」をクリックします。
- WordPressの管理画面左側のメニューに「リダイレクト」が追加されるので、クリックします。
3.1.2 リダイレクト設定の追加と編集
- 「リダイレクト」画面の上部にある「リダイレクトを追加」ボタンをクリックします。
- 「ソースURL」にリダイレクト元のURL、「ターゲットURL」にリダイレクト先のURLを入力します。
- 必要に応じて、その他のオプションを設定します。
- 「リダイレクトを追加」ボタンをクリックして、設定を保存します。
3.2 2. テーマ機能を使う方法
一部のWordPressテーマには、301リダイレクトを設定する機能が組み込まれている場合があります。テーマが提供する機能を利用することで、プラグインを使わずにリダイレクトを設定できます。ただし、テーマを変更する際にリダイレクト設定が失われる可能性があるため注意が必要です。
3.2.1 functions.phpにリダイレクトコードを追加
- FTPソフトまたはWordPressのテーマエディターを使って、子テーマのfunctions.phpファイルにアクセスします。子テーマがない場合は、親テーマのfunctions.phpを編集する前に必ずバックアップを取ってください。
- functions.phpファイルに、以下のコードを追加します。
<?php
add_action( 'wp_loaded', 'custom_redirect' );
function custom_redirect() {
if ( is_page( 'リダイレクト元ページのスラッグ' ) ) {
wp_redirect( 'https://example.com/リダイレクト先URL/', 301 );
exit;
}
}
?> - コード内の「リダイレクト元ページのスラッグ」と「https://example.com/リダイレクト先URL/」を、実際のページのスラッグとリダイレクト先のURLに置き換えます。
- 変更を保存します。
3.3 3. .htaccessを使う方法
.htaccessファイルは、WordPressがインストールされているサーバーのルートディレクトリに配置されている隠しファイルです。.htaccessファイルを編集することで、301リダイレクトを含む様々なサーバー設定を行うことができます。ただし、.htaccessファイルの編集は、サイト全体に影響を与える可能性があるため、慎重に行う必要があります。編集前に必ずバックアップを取ってください。
3.3.1 .htaccessファイルへのアクセスと編集
- FTPソフトまたはサーバーのファイルマネージャーを使って、サーバーに接続します。
- WordPressがインストールされているルートディレクトリに移動します。通常は、public_htmlなどのディレクトリです。
- .htaccessファイルを見つけます。隠しファイルになっている場合は、表示設定を変更する必要があるかもしれません。
- .htaccessファイルをダウンロードして、バックアップを作成します。
- テキストエディターで.htaccessファイルを開きます。
3.3.2 リダイレクトコードの記述
- .htaccessファイルの末尾に、以下のコードを追加します。
Redirect 301 /リダイレクト元URL https://example.com/リダイレクト先URL/
- コード内の「/リダイレクト元URL」と「https://example.com/リダイレクト先URL/」を、実際のURLに置き換えます。
- 変更を保存し、.htaccessファイルをサーバーにアップロードします。
4. 301リダイレクト設定の確認方法
301リダイレクトが正しく設定されているかを確認するには、以下の2つの方法があります。
4.1 1. ブラウザでリダイレクトを確認
- Webブラウザで、リダイレクト元のURLにアクセスします。
- リダイレクトが正しく設定されていれば、自動的にリダイレクト先のURLに遷移します。
4.2 2. オンラインツールで確認
301リダイレクトが正しく設定されているかをチェックできるオンラインツールがいくつかあります。これらのツールを利用すれば、HTTPステータスコードを確認したり、リダイレクトの経路を分析したりすることができます。代表的なツールとしては、HTTPステータスコードチェッカーなどがあります。
5. 301リダイレクト設定時の注意点
301リダイレクトを設定する際には、以下の注意点に留意してください。
5.1 1. リダイレクトループに注意
リダイレクトループとは、ページAがページBにリダイレクトされ、ページBが再びページAにリダイレクトされるなど、無限ループが発生してしまう状態のことです。リダイレクトループが発生すると、Webサイトにアクセスできなくなり、SEOにも悪影響を及ぼします。リダイレクト設定を行う際には、ループが発生しないように注意する必要があります。
5.2 2. 404エラーの発生を防ぐ
404エラーは、アクセスしようとしたページが存在しない場合に発生するエラーです。301リダイレクトを設定する際には、リダイレクト元のURLが誤っていたり、リダイレクト先のURLが存在しなかったりすると、404エラーが発生する可能性があります。404エラーが発生すると、ユーザー体験を損なうだけでなく、SEOにも悪影響を及ぼすため、注意が必要です。リダイレクト設定を行う前に、リダイレクト元のURLとリダイレクト先のURLが正しいことを確認してください。
5.3 3. canonicalタグとの併用
canonicalタグは、複数のURLで同じ内容のページが公開されている場合に、検索エンジンに対して正規URLを指定するためのタグです。301リダイレクトとcanonicalタグは、どちらも重複コンテンツの解消に役立つ手段ですが、それぞれ異なる目的と機能を持つため、使い分けが必要です。基本的には、恒久的にURLを変更する場合は301リダイレクトを、一時的にURLを変更する場合はcanonicalタグを使用します。301リダイレクトとcanonicalタグを併用する場合は、競合が発生しないように注意する必要があります。リダイレクト元ページにcanonicalタグを設定している場合は、タグを削除するか、リダイレクト先URLを指定する必要があります。
6. 301リダイレクトと302リダイレクトの違い
Webサイトのリダイレクトには、301リダイレクトと302リダイレクトの2種類があります。どちらもURLの変更を伴うリダイレクトですが、それぞれ異なる目的と機能を持っています。
6.1 1. 恒久的なリダイレクトと一時的なリダイレクト
種類 | 説明 |
---|---|
301リダイレクト | 恒久的なリダイレクト。リダイレクト元URLは、恒久的にリダイレクト先URLに変更されたことを示します。 |
302リダイレクト | 一時的なリダイレクト。リダイレクト元URLは、一時的にリダイレクト先URLに変更されたことを示します。 |
6.2 2. SEOへの影響の違い
種類 | SEOへの影響 |
---|---|
301リダイレクト | 検索エンジンの評価は、リダイレクト先URLに引き継がれます。 |
302リダイレクト | 検索エンジンの評価は、リダイレクト元URLに残り続けます。 |
301リダイレクトは、検索エンジンに対して、リダイレクト元URLのページが恒久的にリダイレクト先URLに移動したことを伝える役割を果たします。そのため、検索エンジンの評価(ページランクなど)は、リダイレクト先URLに引き継がれます。一方、302リダイレクトは、一時的なリダイレクトであるため、検索エンジンの評価はリダイレクト元URLに残り続けます。つまり、SEOの観点からは、301リダイレクトが推奨されます。ただし、状況によっては302リダイレクトが適切な場合もあるため、使い分けが重要です。
7. 301リダイレクト設定の確認方法
WordPressで301リダイレクトを設定したら、正しくリダイレクトされているか必ず確認しましょう。確認する方法としては、主に以下の2つがあります。
7.1 ブラウザでリダイレクトを確認
最も簡単な確認方法は、リダイレクト元URLをブラウザで開くことです。正しく設定されていれば、自動的にリダイレクト先URLに転送されます。
この時、URLがリダイレクト先URLに変わっているか、ページ遷移の速度は問題ないか、などを確認しましょう。もしリダイレクトがうまくいかない場合は、設定を見直す必要があります。
7.2 オンラインツールで確認
リダイレクト設定をより詳しく確認したい場合は、オンラインツールを利用する方法も有効です。これらのツールを使えば、HTTPステータスコードやリダイレクトのループ発生の有無などをチェックできます。おすすめのツールをいくつかご紹介します。
7.2.1 リダイレクトチェッカー
ツール名 | 特徴 |
---|---|
Redirect Checker | 複数のURLをまとめてチェックできる。リダイレクトのタイプやステータスコード、レスポンスタイムなどが表示される。 |
HTTPStatus.io | シンプルなインターフェースで使いやすい。ステータスコードの詳細情報やヘッダー情報なども確認できる。 |
7.2.2 Google Search Console
Google Search Consoleでもリダイレクトに関する問題を確認できます。Search Consoleの「カバレッジ」レポートでは、サイトのクロールやインデックスに関するエラーや警告を確認できます。リダイレクトエラーが発生している場合は、このレポートで確認できます。また、URL検査ツールを使用すると、特定のURLがどのようにクロールおよびインデックスされているかを確認することもできます。
これらのツールを併用することで、より確実にリダイレクト設定を確認することができます。リダイレクトが正しく設定されていれば、SEO効果の向上やユーザー体験の改善に繋がりますので、必ず確認するようにしましょう。
8. 301リダイレクト設定時の注意点
301リダイレクトは、正しく設定すればウェブサイトのSEOやユーザー体験を向上させる効果的な方法ですが、誤った設定を行うと、逆に悪影響を及ぼす可能性があります。ここでは、301リダイレクト設定時に注意すべき点について詳しく解説します。
8.1 リダイレクトループの発生
リダイレクトループとは、ページAからページBへ、ページBからページAへとリダイレクトが繰り返され、無限ループに陥ってしまう状態を指します。リダイレクトループが発生すると、ユーザーは目的のページにアクセスできなくなり、ブラウザにはエラーメッセージが表示されます。また、検索エンジンの評価にも悪影響を与える可能性があります。
8.1.1 リダイレクトループが発生する原因
- リダイレクト設定の誤り:ページAからページBへ、ページBからページAへとリダイレクトするように設定してしまうなど、設定ミスが原因で発生することがあります。
- プラグインの競合:複数のリダイレクトプラグインを同時に使用している場合、プラグイン同士の設定が競合してリダイレクトループが発生することがあります。
- .htaccessファイルの記述ミス:.htaccessファイルに記述されたリダイレクトルールが正しくない場合、リダイレクトループが発生する可能性があります。
8.1.2 リダイレクトループの回避方法と対処法
- リダイレクト設定を行う前に、リダイレクト先を慎重に確認しましょう。ページAからページBへリダイレクトする場合、ページBからページAへリダイレクトする設定が含まれていないことを確認することが重要です。
- 複数のリダイレクトプラグインを使用している場合は、競合が発生していないか確認し、必要のないプラグインを無効化しましょう。プラグインの競合が原因でリダイレクトループが発生している場合は、競合を解消することで問題を解決できます。
- .htaccessファイルを編集する場合は、編集前に必ずバックアップを取得しましょう。万が一、誤った記述をしてしまった場合でも、バックアップがあれば元の状態に戻すことができます。
- リダイレクトループが発生した場合は、落ち着いて対処しましょう。まずは、リダイレクト設定を確認し、誤りがあれば修正します。設定に問題がない場合は、プラグインの競合や.htaccessファイルの記述ミスが考えられるため、それぞれの原因に応じて対処します。
8.2 404エラーの発生
404エラーは、アクセスしようとしたページが存在しない場合に発生するエラーです。301リダイレクトを設定する際、リダイレクト元のページが存在しない場合や、リダイレクト先URLが間違っている場合に404エラーが発生する可能性があります。404エラーが頻発すると、ユーザーエクスペリエンスを低下させるだけでなく、検索エンジンからの評価にも悪影響を及ぼす可能性があります。
8.2.1 404エラーが発生する原因
- リダイレクト元URLの誤り:301リダイレクトを設定する際、リダイレクト元URLを間違えて入力してしまうと、アクセスしたユーザーを正しいページに誘導できません。その結果、404エラーが発生します。
- リダイレクト先URLの誤り:リダイレクト先URLに誤りがあると、ユーザーは正しいページにアクセスできません。特に、URLの入力ミスや、ページの削除・移動後にリダイレクト設定を変更していない場合に発生しやすいため注意が必要です。
- ページが存在しない:リダイレクト先として指定したページが、既に削除されていたり、そもそも存在しない場合は404エラーが発生します。サイトリニューアルなどでページの構成を変更する場合は、リダイレクト設定も併せて見直す必要があります。
8.2.2 404エラーの回避方法と対処法
- 301リダイレクトを設定する際は、リダイレクト元URLとリダイレクト先URLを正しく入力することが重要です。特に、URLは1文字でも異なるだけで別のページとして認識されるため、慎重に入力しましょう。
- サイトリニューアルなどでページの構成を変更する場合は、リダイレクト設定も併せて見直すようにしましょう。古いページが削除されたり、URLが変更された場合は、新しいページへのリダイレクトを設定する必要があります。これを怠ると、ユーザーが404エラーに遭遇する可能性が高くなります。
- 404エラーが発生した場合、アクセスログなどを確認して、どのページで発生しているかを特定しましょう。原因が分かれば、リダイレクト設定の修正やページの復旧などの適切な対処をすることができます。
8.3 canonicalタグとの併用
canonicalタグは、複数のURLで同じ内容のページが公開されている場合に、正規URLを検索エンジンに伝えるために用いられるタグです。301リダイレクトとcanonicalタグはどちらも重複コンテンツの解消に役立ちますが、それぞれ異なる役割と仕組みを持っています。そのため、状況に応じて適切に使い分ける必要があります。
8.3.1 canonicalタグとの使い分け
状況 | 適切な方法 | 理由 |
---|---|---|
恒久的にURLを変更する場合 | 301リダイレクト | 301リダイレクトは、旧URLへのアクセスを新URLへ恒久的に転送するため、SEO効果を損なうことなくURLの変更を行うことができます。 |
一時的にURLを変更する場合 | 302リダイレクト | 302リダイレクトは、一時的なURLの変更に使用されます。元のURLに戻す可能性がある場合に適しています。 |
異なるURLで同じ内容のページを公開している場合 | canonicalタグ | canonicalタグは、正規URLを明示的に指定することで、検索エンジンに重複コンテンツとして認識されるのを防ぎます。 |
8.3.2 併用時の注意点
- 301リダイレクトとcanonicalタグを同時に使用しない:301リダイレクトとcanonicalタグを同時に使用すると、検索エンジンがどちらの指示に従えば良いか分からなくなり、SEO効果が低下する可能性があります。そのため、基本的にはどちらか一方を使用するようにしましょう。
- canonicalタグで自己参照しない:canonicalタグで自身と同じURLを指定することを「自己参照」と言います。自己参照はSEO上問題ないとされていますが、明示的に指定する必要がないため、避けることが推奨されます。
- canonicalタグは絶対URLで指定:canonicalタグは、相対URLではなく、必ず絶対URLで指定する必要があります。相対URLで指定すると、正しく認識されず、意図した効果が得られない可能性があります。
これらの注意点を守り、301リダイレクトとcanonicalタグを適切に使い分けることで、ウェブサイトのSEO効果を高め、ユーザー体験を向上させることができます。canonicalタグの詳細については、Googleの公式ドキュメントも参考にしてください。
9. 301リダイレクトと302リダイレクトの違い
Webサイト運営において、ページのリダイレクトはSEOに大きな影響を与えます。リダイレクトの中でも、301リダイレクトと302リダイレクトは混同されがちですが、それぞれ異なる意味と役割を持っています。適切なリダイレクト方法を選択することが、SEO効果の最大化に繋がります。
9.1 恒久的なリダイレクトと一時的なリダイレクト
301リダイレクトと302リダイレクトの最大の違いは、恒久的なリダイレクトか一時的なリダイレクトかという点です。
9.1.1 301リダイレクト:恒久的なリダイレクト
301リダイレクトは、旧ページのコンテンツを新ページに恒久的に移転したことを検索エンジンに伝える際に使用します。旧ページにアクセスがあった場合、自動的に新ページへ転送されます。主な用途としては下記が挙げられます。
- サイト移転やドメイン変更
- URLの正規化
- ページ統合
9.1.2 302リダイレクト:一時的なリダイレクト
302リダイレクトは、一時的にページを転送する場合に利用します。旧ページは引き続き有効とみなされ、検索エンジンのインデックスからも削除されません。下記のような場合に用いられます。
- 期間限定キャンペーンページへの誘導
- ABテストの実施
- ユーザーのアクセス地域や言語に応じたページへの転送
9.2 SEOへの影響の違い
301リダイレクトと302リダイレクトは、SEOへの影響も大きく異なります。適切なリダイレクト方法を選択しないと、検索順位の低下やトラフィックの減少に繋がる可能性があります。
9.2.1 301リダイレクト:SEO評価を引き継ぐ
301リダイレクトは、旧ページが持っていたSEO評価(ページランクなど)を新ページにほぼ引き継ぐことができます。そのため、サイト移転やURLの正規化など、恒久的なページの移転を行う際には301リダイレクトが適しています。旧ページへの被リンクも新ページに引き継がれるため、SEO効果を維持したままページを移転できます。
301リダイレクトは、検索エンジンに対して、旧ページのコンテンツが新ページに完全に移転したことを明確に伝える効果があります。
9.2.2 302リダイレクト:SEO評価を引き継がない
一方、302リダイレクトは一時的な転送とみなされるため、旧ページのSEO評価は新ページに引き継がれません。そのため、SEO効果を維持したい場合は、302リダイレクトではなく301リダイレクトを使用する必要があります。302リダイレクトは、あくまで一時的な転送に用いるべきであり、SEOを意識する場合は注意が必要です。
302リダイレクトを恒久的な転送に使用すると、検索エンジンからペナルティを受ける可能性もあるため注意が必要です。
9.3 301リダイレクトと302リダイレクトの使い分け
301リダイレクトと302リダイレクトの違いを踏まえ、それぞれの使い分けを下記の表にまとめました。
項目 | 301リダイレクト | 302リダイレクト |
---|---|---|
目的 | 恒久的なページの移転 | 一時的なページの転送 |
SEO評価の引継ぎ | あり | なし |
主な用途 | サイト移転、URLの正規化、ページ統合 | 期間限定キャンペーン、ABテスト、地域/言語に応じたページ転送 |
301リダイレクトと302リダイレクトは、どちらもページのリダイレクトに使用されますが、その目的やSEOへの影響は大きく異なります。Webサイト運営においては、それぞれの違いを正しく理解し、適切なリダイレクト方法を選択することが重要です。恒久的なページの移転には301リダイレクトを、一時的なページの転送には302リダイレクトを使用することで、SEO効果を最大化し、ユーザー体験を向上させることができます。
10. まとめ
この記事では、WordPressで301リダイレクトを設定する方法を、プラグイン、テーマ機能、.htaccessの3つの方法に分けて解説しました。SEO効果を高め、ユーザー体験を向上させるためには、サイト移転やURLの正規化など、適切な場面で301リダイレクトを設定することが重要です。リダイレクトループや404エラーの発生を防ぐための注意点も踏まえ、紹介した方法を参考に、ぜひWordPressサイトに301リダイレクトを実装してみてください。